教育福島0117号(1986年(S61)12月)-021page
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せ確実に身につけさせることであると考える。そこで、基礎技術を幾つかに絞り、基礎技術チェックカードを作成した。これによって三年間の実習内容がすぐ分かるようにした。資料311、3-2では、新しく実習する項目には・印をつけた。
生徒にも基礎技術チェックカードを持たせ、A〜Cの3段階評価法で評価させた。(資料4-1・4-2)
資料3-2 被服基礎技術チェックカード(教師用)
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資料4−1
被服基礎技術チェックカード 2年D組31番 氏名
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資料4−2
編み物チェックカード 2年D組1番 氏名
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また、生徒が自己評価するときの参考に基礎技術評価標本を作成し、常時展示し、生徒の眼に触れるようにして、客観的に評価でき、しかも技術の向上を計れるようにした。
四、まとめと反省
(1) 教材の精選により生徒の負担が少なくなったこと。
教師も生徒も余裕が出てきたことは、大きな成果である。
入学当時、ミシンを使うことも容易でなかった生徒も、卒業までにはブレザーを完成することができる。またはほとんど家事手伝いもしなかった生徒が夕食の準備をしたり、朝早く起きて、お弁当作りに挑戦しようとしたり、家庭科技術検定においても、四級・三級はもとより、二・一級まで受検しようとする意欲をもつに至るなど、生徒の喜びは大きく、次の教材への大きな原動力になるばかりでなく、日常生活への自信につながるものと思われる。
(2) 実習ノートの活用
家庭科独自の総合実習ノートを作成することにより、総合実習の授業内容がわかりやすくなった。しかし、不備な点もあるので、内容・記入法等更に検討を加え改善し、より良い総合実習ノートが完成できるようにし、このノートの活用により総合実習の目的がより有意義に達成できるように今後も努力していきたい。
(3) 基礎技術チェックカードによって実習のポイントが明らかになり、その結果、授業がしやすくなって、生徒の理解、技術の向上に役立った。
最後に、「わかる授業」とは、生徒に“主体的に活動する場”を与え、“自主的に活動させる”ことが大切である。生徒が積極的に教材に取り組み、それを成就させることの満足感を味わうことである。それによって更に次の段階に挑戦しようとする意欲が湧いてくる。生徒一人一人の持っている能力を見いだし、自ら学習しようとする意欲を喚起するような“学習環境”を作ることが大切であると思われる。
よく三年生や卒業生が、「磐農」に入ってよかったというのを耳にするが、私たちは更に、中学生が進路選択に当たって、是非「磐城農業高校」に入学したいと思うような、魅力ある生活科にするよう今後努力したい。
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