教育福島0121号(1987年(S62)06月)-040page

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研修実践レポート

 

やる気を育てる学習指導法の改善

−教育機器を利用して−

 

福島市立岳陽中学校

 

はじめに

 

日頃、職員室での話題に、「本校生徒は、やればできるのに、残念だ。何とかしなくては…」などが出され、どのようにして、学習に対する気構え、心構えを育てるかと思案していたとき福島市教育委員会から教育機器の研究校としての指定を受けた。それに放送教育研究会東北大会と県視聴覚教育研究大会の会場校にも要請され併せで研究を進めることになった。

教育機器・視聴覚教育については今までの実践研究もあるが、放送教育についてはあまり予備知識もない状態でスタートした。そこで本校では、教育機器を教育活動全般に用いられる機器の総称と大きくとらえ視聴覚教育はその中に含めて考えた。さらに放送教育は視聴覚教育の一部門ととらえて研究を進めてきた。

この研究の発表会は、去る十月三十日、市内の先生方、県内、東北各県その他東北大会関係者、約百七十名の参加をいただき、運営面では、父足の協力もあり、盛会のうちに終了することができた。

 

一、研究のねらい

生徒の日常生活にも、情報化の波が深く浸透しつつあることを考え、生徒たちの知的理解を促進し、心情や態度を育てる上で、極めて有効な手段として、教育機器の活用を考え、本校現有の教育機器の特性や効果的な使い方を全職員で研究し、生徒たちに学び方を習得させると同時に、活動の時間と場を十分に確保し、一人一人の存在が認められ、お互いに支え合っていく姿を創造していくことを研究の主眼とした。

 

二、研究仮設

自ら考える学習態度の育成について、生徒の実態をふまえ、教育機器の特性を生かし、活用の場と方法を工夫して指導すれば、生徒のやる気が高まり学力が身につくであろう。

 

三、研究内容

(1) 教育機器の活用を積極的に図る。

(ア) 本校の教育機器の現有のものをすべて活用の対象とする。

(イ) 資料提示の仕方は多様にあるが、その中から選択し、最も効果的なものを活用する。

(ウ) 教育機器の特性を十分に研究し、本校の生徒にとって効果のあがるソフト面の開発をする。

(2) 学習過程を工夫する。

(ア)学習過程の中に、資料提示の場と機会を効果の面から吟味し、課題追求から解決場面までのステツプを工夫する。

(3) 自ら考える生徒の育成をめざして指導を強化する。

(ア) 学習態度の形成を図る。

(イ) 基本的学習態度を身につけさせ、教科の特質に応じた学習訓練をする。

(ウ) 家庭学習の仕方を身につけさせる。

 

四、やる気についての基本的な考え方

一口にやる気といっても、心的変容の面とその現れとしての行動・態度の面とをとらえなければならない。また心理学的分野に属するこの問題は、い

表1 やる気を育てる基本的な考え方

表1 やる気を育てる基本的な考え方

 

 

 


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