教育福島0122号(1987年(S62)07月)-020page

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二、福島県における心身障害児の就学指導

 

1 市町村心身障害児就学指導審議会

心身障害児の適正な就学指導を行うため市町村教育委員会の諮問機関として市町村心身障害児就学指導審議会を設置している。

この審議会では教育上特別な取扱いを要する児童生徒の障害の種類、程度等の判断について調査及び審議を行い、結果を教育委員会に答申することをその任務としている。

昭和六十一年度の市町村心身障害児就学指導審議会の設置状況は資料4のようになっている。

 

2 校内就学指導委員会の設置

小学校・中学校には、心身障害児の就学指導を推進するための校内就学指導委員会を設置している。

校内就学指導委員会では養護教育の対象児と思われる児童生徒について、知能検査(個別検査も含む)、学力、交友関係、行動全般にわたってみられる発達の遅滞等を総合的に検討し、市町村教育委員会と連絡を取りながら、就学指導にあたっている。

 

3 心身障害児の障害の種類と程度を把握するための調査・検査

 

(1) 生育歴

生育歴調査のねらいは、子どもの全体的な発達過程を明らかにし、一次的、二次的障害状況の原因、判断、予後を把握するための資料を過去の生育史にさかのぼって収集することにある。

そのための調査対象者としては、両親を中心とする家庭の養育者、出産、乳幼児健診に携わった関係機関医師などがあげられる。これらの内容や保健指導の結果は母子健康手帳に記載されている場合が多い。

 

(2) 行動観察

生育歴が個人の縦断的側面をとらえるのに対し、行動観察は横断的側面から個人を理解することにある。

心身障害児の判断や指導に当たってその子どもの実態を把握する諸検査の実施は、欠かすことのできないものである。しかし、障害の程度によっては「知能テスト」や各種心理検査では「測定不能」となるか、検査項目に無理にあてはめるため、子どもの実態と掛け離れた検査結果となり、判断や指導の手掛かりが得にくい場合がある。

そのためその行動を観察し、一つ一つの行動の意味をとらえ、その子どもの実態を把握することが大切に

 

二十九ページに続く

資料4 福島県における昭和61年度市町村心身障害児就学指導審議会設置状況 注:養護教育課調査(昭61)による


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