教育福島0126号(1987年(S62)11月)-019page
特集〔3〕
伝統を生かした地域性豊かな文化活動の推進
福島県の文化
文化課
はじめに
福島県教育委員会においては、本年度も“伝統を生かした地域性豊かな文化活動の推進”をスローガンに、次の三つを柱に、文化行政を推進しています。
・文化活動の促進
・文化の伝承の充実
・文化施設の整備充実
以下、具体的に県教育委員会が実施している各種事業について紹介します。
芸術文化の振興
一、第四十一回県展
福島県総合美術展(県展)は、昭和二十二年の第一回以来、本年で四十一回を数えるが、年々作品の質の向上が見受けられる。
今回の総出品点数は、九百三十八点で、そのうち公募作品は、八百六点を数え、これらの中から五百十八点が選ばれ、招待、依嘱作品の百三十二点を合わせた六百五十点が陳列された。
○会期 昭和六十二年六月十三日〜二十四日
○会場 福島県文化センター
○陳列点数 日本画五十五点、洋画二百十点、彫塑六十六点、工芸美術八十四点、書二百三十五点、総計六百五十点
○観覧者数 約一万一千人
○審査員
〔日本画〕安部孫一、桝田隆一、室井東志生
〔洋画〕西田藤次郎、西村栄悟、浜田清、若松光一郎、渡部憲司
〔彫塑〕土田副正、舟生厚細井良雄
〔工芸美術〕石崎友紀、照井克彦、長谷川靖夫、福田三恵子、宗像亮一
〔書〕斎藤芳龍、千葉香仙、・渡辺紘川
二、第十一回県展移動展
県展移動展は、県展出品作品の中から優秀作品百点を選抜し、県内を巡回展示するもので、本年度は二か所において開催した。
これらの開催地では、小・中学生から老人まで、多くの人が作品を鑑賞し地域文化活動の促進にとって有意義な催しとなった。
○開催地及び会期
南郷村 七月二日〜五日
滝根町 七月九日〜十二日
○内容 日本画、洋画、彫塑、工芸美術、書の百点
三、第四十回福島県文学賞
広く県民から作品を公募して、優秀な作品を顕彰し、もって本県文学の振興を図ることを目的に昭和二十三年から始められた本事業も、第四十回を迎えた。
本年度の県文学賞は、五月上旬に募集を開始し、七月三十一日に締切り、小説五十六点、詩八十三点、短歌三十八点、俳句五十点の計二百二十七点の応募があった。
応募作品は、企画委員会において規格審査がなされ、規格外作品三点を除いた二百二十四点が審査委員に送付され、個別審査が行われた。さらに、合同審査委員会において受賞候補作品が内定し、県教育委員会で受賞作品が決定した。
本年度の受賞作品及び受賞者は左記のとおりである。なお、受賞作品集である「県文学集No.35」は、昭和六十三年三月刊行予定である。
◇第四十回福島県文学賞受賞作品
〔小説の部〕・準賞 「晩春杜へ」辻由子・同 「どうしょうもなかった男」大室 宏一