教育福島0127号(1987年(S62)12月)-054page

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楽しい学校

 

ふれあい学習をめざす

養護学校

 

レポート 学校から

 

教具の工夫をし、障害の程度や知的能力等に応じた授業の展開に努めている。

 

教具の工夫をし、障害の程度や知的能力等に応じた授業の展開に努めている。

 

一人一人に応じた教育活動が展開され、きめ細かな援助がなされるところに、充実した楽しい学校生活が生まれてくるものと考えられる。養護教育諸学校では、一時間一時間の授業をより良いものにするため、創意ある教材・教具の工夫をし、障害の程度や知的能力等に応じた授業の展開に努めている。

子どもたちが授業の中で、適切に用意された教材を学習し一自力で課題を解決した時の充実感は、授業への期待を大きく育くむことになる。このような授業の積み重ねが、学校の教育活動全体に対する期待へと発展し、学校や教師に対する期待と信頼を生み、子どもたちの朝の登校を楽しいものにさせている。

 

朝の出会いの中で

 

県立石川養護学校

 

朝、学園に面する昇降口に校長以下二十数名の教員が待機して児童・生徒の登校を待つ。出迎えを受ける児童・生徒は、自宅通学生十三名、桜が丘学園生六十九名である。

「お早よう」「おわよ」「うお……」

先生方の目が、手が、それぞれの子に向けられる。子どもらは、一人一人がお目当ての先生方をもっている。いち早く校長先生に飛びつき、抱っこされるT子。O先生にプロレスをいどむ子。給食は何かと掲示板に手引きする子……等々、出会いのコミュニケーションは、目で、手で、口で……と全身を使っての情感の伝え合いである。

そうした中で、一方では保護者や保母さんから健康状態(食事・排泄・睡眠)や学園・家庭の生活の様子など素早く聞きとり、指導の資料にと脳裏に刻み込む。

登校と同時にいち早く着替えを済ませて各教室や事務室等を訪問し、そこにいる職員に質問を浴びせる子もいる、「どこにいんだい」とは初代校長の写真を見ての事。毎度同じ答えがないと安心できないらしい。

そうした中で、児童・生徒会の係活動も展開する。放送係は朝の放送を。保健係はトイレ等にペーパーや石けん類を配る。飼育係は鶏を戸外に放しえさをやり卵を回収する。

子どもらは、それぞれ何をしたいのか、何をすべきなのかの意図をもって登校する。その意思を先生方が正しく受けとめてやり、各自が意思を行動に表わし満足するのには時間がかかる。

その後、朝のあいさつ、日課のランニング等、各クラスの独自の日課が展開される。放課後にもこうした姿が見られるが、一年間を通してみると、毎日の学習の成果が随所に見つけ出される。わずかな進歩でも、その喜びを全身の触れ合いの中で伝え合うことができるのが養護学校教育の特質と思うのである。

 

一人一人が心と力を合わせて(運動会)

一人一人が心と力を合わせて(運動会)

 

子どもたちと共に伸びる

 

県立郡山養護学校安積分校

 

当校では「明るく、なかよく、たくましく」を教育目標としてかかげ、毎日の学校生活を通して、一人一人の興

 

 

 


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