教育福島0128号(1988年(S63)01月)-051page

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海外教育事情の紹介

スポーツと教育−西ドイツ−

昨年の七月十七日〜八月九日の二十四日間、昭和六十二年度日独スポーツ少年団同時交流派遣団の一員として、西ドイツを訪れました。

この事業は、昭和四十九年より始まり、日本スポーツ少年団、西ドイツユーゲントとの両者が、両国のリーダー(十六歳〜二十一歳)を同一時期、同期間、同人数を相互に相手国に派遣し民泊等により、それぞれの国の生活習慣を体験し、文化、歴史、産業等について見聞を広めるとともに、スポーツ活動を通じ

て国際親善を図るものです。

ドイツスポーツユーゲントと共に記念撮影

ドイツスポーツユーゲントと共に記念撮影

ドイツスポーツユーゲント

ドイツのスポーツの基盤はスポーツクラブで、全国に約六万一千五百の体操クラブ及びスポーツクラブがあり、ここで約千九百二十五万人がスポーツ活動を行っています。

これらのスポーツクラブヘの入会は、誕生後すぐにでも可能ですが、実際に活動できるのは、三歳位からだそうです。スポーツクラブの二十一歳までの会員が今回我々が交流してきたドイツスポーツユーゲント(ドイツスポーツ少年団)です。クラブ員は自分の所属するクラブに会費を払って青少年指導者又はスポーツ指導員のもとでスポーツやその他一般青少年活動(デスカッション、夏休みのキャンプ生活、ダンスパーティー、研修旅行、国際交流

等)を行います。ドイツスポーツユーゲントはスポーツ及び一般青少年活動を通じて青少年の健全育成を目指すドイツスポーツ連盟内の青少年団体で、連邦政府(家庭青少年健康省)から育成資金の補助を受けています。これは連邦青少年計画と呼ばれる政府の青少年育成施策の一つです。

スポーツ指導員のリントナーさんによるゲーム指導

スポーツ指導員のリントナーさんによるゲーム指導

ドイツの教育制度

ドイツの学校制度は日本のように文部省が基本方針を打ち出し、県、市町村、学校と一つの線で成り立っているのとは異なり、文教権は各州にあります。そのために教育制度の内容も少しずつ差があり現在改革中とのことですが、普通六歳でグルントシューレに入り四年後にその後のコースを決めます。ハウブトシューレ(五年)、レアール又はミッテルシューレ(六年)、へーエシューレ(九年)のいずれかを選ぶのですが、約八十パーセントがハウブトシューレへ行きます。ここを修了すると職業訓練期間に入り実地の訓練をするのですが、その傍らベルーフスシューレへ週二回程度通います。レアールシューレを出ると職業生活での中堅コースが約束されます。又専門.字校へ進むことも可能です。へーエシューレ(ギムナジウム)の終了試験アビトウアに合格すると、大学入学資格が得られます。新しい学校形態としてゲザムトシユーレがあります。ここでは三つのコースが一つの学校に集められており能力に従って進級するようになっています。

第十四回日独スポーツ少年団同時交流派遣団

指導者 清水 義一

(勤務先 桑折町役場企画課)


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