教育福島0129号(1988年(S63)02月)-044page
養護教育センター通信
昭和63年度
養護教育センター研修計画
障害をのりこえ社会参加をめざそう
はじめに
最近、教師の内面的資質について、次の三点から論ぜられることが多くなっています。つまり、1)教師の教養、2)教師の専門的・学問的知識に関する能力、3)教師の実践的な指導力がそれです。
当養護教育センターでは、このことを十分に踏まえたうえで、研修講座の運営を進めていきたいと思います。
以下、昭和六十三年度に実施する研修事業の概要について紹介します。
一、研修事業の内容
昭和六十三年度の研修事業の内容の主な特色は次のとおりです。
まず、心身に障害のある児童・生徒の就学指導の重要性にかんがみ、就学指導・相談の進め方等に関する実践力を養成するため、小・中学校で就学指導を担当する教員を対象に「心身障害児就学相談研修講座」を新設しました、
次に、小・中学校の病弱・身体虚弱特殊学級の減少に伴い、その担当教員及び病弱養護学校教員を対象とした二つの講座を統合し、「養護・割線研修講座−病弱・身体虚弱−」にまとめました。
なお、実施講座数は、昭和六十二年度と同数の十七講座となります。
二、各研修講座の趣旨
(一) 養護・訓練研修講座・養護・訓練に関する研修として、視覚障害、聴覚障害、精神薄弱、病弱・身体虚弱、言語障害、情緒障害関係の六講座を設定しました。
これらの講座は、盲・聾・養護学校教員及び小・中学校特殊学級担当教員に対し、障害の多様化に即した養護・訓練指導の原理と方法に関する専門的知識・技能の修得を図ることを目的としています。
(二) リハビリ研修講座
肢体不自由養護学校教員及び養護学校訪問教育担当教員に対し、肢体不自由児のリハビリ教育の原理と方法に関する専門的知識・技能の修得を図ることを目的としています。この講座は、前期と後期に分けて実施します。
(三) 軽度心身障害教育研修講座
精神薄弱と情緒障害関係の二講座を設定し、小・中学校特殊学級担当教員に対し、それらの障害児の指導の原理と方法に関する専門的知識・技能の修得を図ることを目的としています。
(四) 心理検査実技研修講座
心理検査の実技研修として、それの(1)及び(2)の二講座を設定し、盲・聾・養護学校教員及び小・中学校特殊学級担当教員に対し、個別知能検査、精神発達検査等に関する専門的知識・技能の修得を図ることを目的としています(1)の講座の内容は、ビネー式知能検査と精神発達検査、(2)の講座の内容は、ウエクスラー式知能検査と社会生活能力検査が中心になります。
(五)障害幼児教育研修講座
障害幼児を担当する盲・聾・養護学校教員、幼稚園教員等に対し、障害幼児指導の原理と方法に関する専門的事項の修得を図ることを目的としています。
(六)寄宿舎職員研修講座
盲・聾・養護学校寄宿舎の寮母に対し、寄宿舎における養育指導のあり方に関する専門的事項を修得することを目的としています。
(七)訪問教育研修講座
養護学校訪問教育担当教員に対し、訪問教育対象児指導の原理と方法に関する専門的知識・技能の修得を図ることを目的としています。
(八)心身障害児就学相談研修講座
小・中学校の心身障害児就学指導担当教員に対し、就学指導・相談の原理と方法に関する専門的知識・技能の修得を図ることを目的としています。
(九) 重度・重複障害教育研修講座
盲・聾・養護学校の重複学級担当教員に対し、重度・重複障害児指導の原理と方法に関する専門的知識・技能の修得を図ることを目的としています。
おわりに
本号では、昭和六十三年度の研修事業計画の概要を紹介しましたが詳しくは後日各校に配付予定の養護教育センター研修講座実施要項を御覧ください。