教育福島0130号(1988年(S63)04月)-055page
運動好きな子を育てる体力つくり
月舘町立月舘小学校
本校は、二年前から文部省指定体力つくり推進校となり、「めあてを持って、ねばり強く体力つくりに取り組む子どもの育成」の主題の下、運動好きな児童を増やすことをめざして、さまざまな活動を実践してきました。
その中核となるものは、何と言っても教科体育や特別活動の学習ですが、それ以外にも、本校なりの特色ある体力つくりを行っています。
例えば、業間運動や休み時間の運動遊びに、一輪車を取り入れました。
直線で五十メートル一輪車が乗れるようになると、検定に合格となり、即座に校内放送で名前が発表されます。そして学期末には、一人一人に認定証も手渡されます。
子どもたちは、検定合格をめざして、三十台の一輪車を奪い合うようにして練習しています。ある程度乗れるようになって自信がついた子どもは、「先生、見て下さい!」と勢いよく職員室にかけこんできます。
現在までの合格者は百名を超え、昨年度は、運動会や業間運動の縦割り班リレーにも、一輪車の種目を取り入れることができました。
今年度は、そのような一輪車への取り組みを、ほかのいろいろな運動遊びにも広げてきたいと考えています。自分のやりたい種目、使いたい遊具に、自由にどんどん挑戦していけるような業間運動を実施していく予定です。
もう一つ、本校の体力つくりの中で特色ある活動は、地域体力つくり推進員制度です。
これは、夏休みに地域ごと児童が集まって行うラジオ体操に、父兄の代表が協力するという制度です。ラジオ体操ばかりでなく、その後にマラソンをしたり、竹馬やなわとびで遊んだりして、楽しく運動を継続することができました。またこれは、ともすれば乱れがちになる夏休みの生活を、規則正しくさせる上でも、効果がありました。
自然に親しみ
自然から学ぶ子どもたち
二本松市立平石小学校
情報化社会、映像文化の社会に育つ子どもたちは、間接経験による知識は豊富です。しかし、それは頭の中だけの理解であり、生きて働く力として身についているとは言えません。
大事なことは、ものの見方・考え方、人間として力強く生きぬく力をつけることです。これらの力は、自らが、事物・事象に触れたり、自らの活動を通して体で学びとることによって初めて身につくものであると考えられます。
そこで、当校では標題に掲げた主題の下に、自然の中で生き生きとした体験を積むこと、自然に触れて感動し、その感動が子どもたちの活力となること、自然に働きかけていく活動から自分自身の生き方を学びとらせることである。と考え、この課題に取り組んでいます。
自然を相手の学習では、短時間に結論は出ません。自分の体を動かし、苦労しながら、じっと待たなければなりません。
この過程において、予測される問題を指導に生かすことにより、体験の内容はより充実するものです。
すなわち、理科で自然を見る目を培い、道徳で自然、動植物の愛護、生命尊重などの心情を育て、特別活動の主体的な実践を通して、その態度を育てる。これらの一連の活動相互の有機的関連を図ることにより、生き方を体験的に身につけていくと考えられます。
そのためには、子どもたちをとりまく環境そのものが子どもたちの興味、関心を呼び、意欲を誘発するよう構成されなければなりません。
当校には先輩の努力により学びの森(雑木林三十六アール)、学校農園(十アール)、学びの池、観察池、岩石園があります。また、校地内の樹木は、大小合わせ千二百余本、観察園、花壇など子どもの活動の場は十分です、
これらの自然環境が、積極的に働きかける子どもたちに、すばらしい贈物を与えてくれることを期待しています、
検定合格をめざして一輪車の練習
「学びの森」で自然を見つめ学ぶ子どもたち