教育福島0130号(1988年(S63)04月)-054page
教育事務所だより
県北教育事務所
県北教育事務所
〒960福島市杉妻町2−16
TEL(0245)21−1111(代)
○管内学校等数(公立のみ)
幼稚園 79
小学校 126
中学校 43
市立養護学校 1
地区をあげて特色ある教育活動を推進.
県北教育事務所は、昭和四十四年に広域行政の発足に伴い、信夫、伊達、安達の三地区が統合されて開設されました。以来、県庁所在地福島をはじめとする、それぞれ特色のある十七市町村と緊密な連絡を取り合いながら教育行政を進めています。
県庁西庁舎四階西南端に位置する事務所の窓からは、吾妻小富士の雪うさぎ、安達太良山頂の乳首山も、林立するビルの間から見え、各教育委員会や各学校との連絡、相談、報告のために室内の電話は絶え間なく鳴り続けます。
間もなく学校訪問や公民館訪問が行われ、教育現場との直接的なふれ合いが始まります。
「教育事務所だより」の初回となる本稿では、県北地区の教育の姿の一端として、福島、伊達、安達の各地区における特色ある教育活動の様子を次の三校の実践例によって紹介します。
地域に根ざした学校づくり
福島市立立子山中学校
凍豆腐の里、立子山は周囲を小高い山々に囲まれた閑静な地域です。地区民の教育への関心は高く、地域、家庭には教育力が脈々と息づいています。
昭和六十一年に建築された近代的様式の校舎で、生徒たちは学力の向上や部活動など文武両道に意気高く取り組んでいます。
本校はこうしたなか小規模校の特性を生かし、地域の実態に即した学校づくりをめざして実践しています。
一、地域有識者による講話
地域の自然や文化、産業等に関心をもたせ、郷土愛を醸成することをねらい地域人材による講話を取り入れています。「修業中に一番つらかったことは何ですか」「一本の刀を完成させるまで何日かかりますか」これは地区に住む刀鍛治の仕事場を見学した時の生徒からの質問の一部です。当日は製作過程を実演していただきながら、修業時代から一人立ちするまでの苦しさと喜びについて感銘深い話をいただきました。講話は年間四回実施し、内容も文化、歴史、産業と広範囲に及んでいます。
二、立子山音頭の教材化
「ハアー 吾妻吹雪くか 里にも小雪 軒につらなる 黄金ののれん おらが自慢の ホラ 凍豆腐」これは立子山音頭の一節で、地区民が作詩、作曲、振り付けした郷土の歌です。毎年、敬老会や地区運動会には太鼓や笛を入れた鳴物とおはやし入りの伴奏で踊りが披露されるほか、業間体育にも取り入れています。
三、郷土を知る学習の奨励
一人一研究(一人一主題を設定し、一年間を通して調査、観察する一において、地域についての研究を奨励しその成果を学習発表会で発表しています。
四、地域の諸行事への参加
年二回開かれる相撲大会や春、秋の地区クリーン運動、駅伝大会等に積極的に参加し、地域の人たちとの触れ合いを深めています。
郷土の歌「立子山音頭」を全校生が学ぶ