教育福島0132号(1988年(S63)07月)-018page

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んだ単元指導計画に基づいて授業を実践してきたが、生徒の学習への取り組み方について六月と十月に実施した自己評価結果(資料5)で比較してみると、次のような成果があったと判断することができる。

(1) 基本的学習態度の重要性が認識され、落ち着いた中にも活気のある授業が展開されるようになった。

(2) 予習、復習をして授業に臨む生徒が多くなってきた。

(3) 学習の仕方や学習意志の形成のために、教師による指導法の工夫がなされたため、目標に向かって真剣に学習する生徒が多くなった。

(4) 学習に楽しさや満足感を味わう生徒が多くなり、次時の学習への期待感から質問事項も増えてきた。

 

(二) 今後の課題

 

全職員が一丸となっての研究で、数多くの成果が得られたが、今後に次のような課題が残された。

(1) 基本的学習態度の形成については、生徒会組織を生かした生徒の主体的な活動への教師の援助の在り方について。

(2) 学習の仕方については、各教科共通の指導の基本をおさえた上での教科独自の方法の開発と、その指導の在り方について。

(3) 学習意志の形成については、動機づけの方法や、意志を持続させるための資料などの効果的な活用の在り方について。

本校では、二年間にわたって生徒が本来内面にもち合わせている「自ら学び、向上しようとする意欲」.を育てるために研究を進めてきたが、研究を進める中で新たに生まれた課題も数多く残された。今後、多くの方々のご批判とご指導をいただきながら、さらに研究を継続していきたい。

 

資料5

態度・意欲の変容

高等学校(実践例)

 

高等学校(実践例)

 

高等学校(実践例)

自己教育カを培う進路指導の研究

−生徒の発達段階に応じた進路指導のあり方−

県立白河高等学校

 

一、はじめに

本校では昭和六十、六十一、六十二年度の三年間にわたり県教育委員会の指定を受け、進路指導の実践研究に取り組んできた。特にロングホームルームにおける進路指導を中心に、生徒の発達段階に応じた進路指導のあり方を探究している。

 

二、研究の趣旨

 

(一) 主題設定の理由

本校では近年明確な目的意識を持たないで入学してくる生徒が増加している。「なんとな<」とか「教師や両親に勧められて」など積極的な自らの意志によらないものが目立っている。また高校入試の結果を見ると、合格者の最高点と最低点の差が相当あり、学力差が年々拡大する傾向を示し、県下でも学力のばらつきの大きい学校の一つとなっている。

次に本校生の進路を昭和五十九年度について見ると、大学進学希望者がかつては九十パーセント以上あったのが七十パーセント台となり、公務員希望者が二十パーセント台、専門学校希望者が八パーセントとなっており、進路希望も多様化している。

一方、進学指導は、本来、一人一人の生徒が将来の生き方を考え自己実現をめざすものであるが、ややもすると職業紹介や進路指導に偏る傾向が見られた。しかもその指導は、入学当初から行う必要があるのに、最終学年に集中する傾向が強かった。また生徒の多様化に対応するため、三学年で選択科目を増やすなど教育課程の改善に努めてきたが、進路の多様化、学力差の拡大が一層進んだ現在、これだけでは対応が困難となっている。

このような状況から、本校では依然として生徒の進路意識の形成が十分でなく、主体的に自らの進路を選択・決定する能力の乏しい生徒が多く見られる。したがって、生徒に将来の生き方を考えさせ、自ら学習する意志、態度など自己教育力を育成するとともに、進路指導を充実して進路意識を高めることが重要な課題となっている。生徒の発達段階に応じた進路指導の研究実践を行うとともに、学習意欲の高揚、

 

 

 


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