教育福島0132号(1988年(S63)07月)-019page

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学力の向上及び徳性の涵養などの観点から本校の教育活動を総点検し、多様化している生徒に対応した指導の充実を図るため、この研究主題を設定した。

 

(二) 研究のねらい

本研究のねらいは、生徒の発達段階に応じた進路指導のあり方を追求することである。そのために、本校の教育活動全体を見直すとともに^生徒の実態を踏まえて教育課程の改善、進路指導計画、特にロングホームルームにおける進路指導のあり方を研究する必要がある。さらにこれらの実践研究を通して、生徒に将来の生き方を考えさせるとともに主体的に自らの進路を選択決定する能力を培い、併せて保護者及び教師の意識の高揚と変革をめざすものである。

 

(三) 研究のねらいと研究内容との関係

(図1参照)

三、本校における進路指導の問題

 

(一) 教師の生徒理解、生徒の自己理解

1 本校生は比較的早い時期に高校進学を決めている。しかし本校進学の動機があいまいな者が約半数もおり、さらに自分の意志によらないで本校に入学している生徒も増加している。

2 入学前の本校のイメージが明るいものであったのに対して、入学後は成績や進路について悩みが多く、学習面や対教師関係にも不満があり、適切な強い指導を望んでいる。

3 生徒の自己理解を図る指導は客観的資料に乏しく十分でなかった。

4 教師は、生徒の能力、適性の把握といった生徒理解の必要性を十分理解しているが、その活動は不十分であった。

 

(二) 啓発的経験を深める活動

1 啓発的経験を深める指導を教師が個々に行うことは難しいこともあり、教師の約半数がこの活動が不十分ととらえている。

2 親の職業に関する話や経験談等は、生徒の啓発的経験の一つとして大切な役割を果たすが、十分とは言えない。

 

(三)進路相談

1 進路相談は、生徒のかかえている悩みや疑問に答えるとともに、進路意識の深化発展を図る上で重要である。進路指導、生活指導を含めた個人指導の一層の充実が必要である。

2 保護者は担任との相談の機会を増やし、十分時間をかけた相談会を望んでいる。

 

(四) 就職、進学に関する活動

1、本校生は進路に対する取り組みが甘く、進路希望の確立も遅い。その結果、就職・進学の準備対策が不十分となる。したがって生徒に目的を持たせ、種々の進路指導と平行して、進路への取り組みに迫る方策を考える必要がある。

2 高校入試での低学力者の増加とともに家庭学習量の減少、授業への意欲の欠如が指摘できる。したがって、進路実現のためには、学力向上のための対策が不可欠であり、授業の充実はもちろん、教師の強い指導力が大切である。また保護者の要望は、学習や進学についての指導に関するものが多い。

 

(五) 保護者との連携

保護者の生徒に対する進路指導をみると、将来設計が明確でない場合がある。保護者との連携をとりながら、啓発して行く必要がある。

 

図1 研究のねらいと研究内容との関係

進路に関するLHR

 

進路に関するLHR

進路に関するLHR

 

 

 

 


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