教育福島0132号(1988年(S63)07月)-020page

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(六) ロングホームルームにおける進路指導のあり方

1 進路にかかわるロングホームルームは、生徒の進路選択などにある程度影響を与えている。しかしこれをきっかけとして進路意識が深化、発展するまでに至っていないので、更に強化していくことが望まれる。

2 教師は進路にかかわるロングホームルームについて継続性や計画性の不足をあげ、効果にも疑問を持っていた。またロングホームルームの進め方の研究不足や理解不足があった。更に生徒が多様化しているためにホームルームの展開がまちまちであった。

 

四、進路指導の改善

 

(一)進路指導の目標

学校の教育目標、努力目標をもとに進路指導の目標が決定され、それを受けて学年の進路指導目標を決定する。

1 学校の努力目標の一つとして「進路指導の充実を図る」があげられている。

2 進路の具体的目標

1)進路意識の高揚と正しい職業観の確立に努める。

2)学力の充実・向上を図る。

3)ロングホームルームにおける進路指導を充実し、学年、部との連携を深める。

4)進路相談など個別指導の徹底を図る。

5)進路資料の整備と活用に努める。

 

(二) 学年の進路指導目標

一学年

高校生活への適応と自己理解

1)基本的生活習慣の確立

2)適性の把握と自己理解の援助

3)意欲的な学習態度の育成と進路意識の啓発

二学年

高校生活の充実と進路計画の確立

1)自己理解の深化と個性の伸長

2)啓発的経験を通しての進路意識の高揚

3)情報資料から学ぶ活動と進路設計の援助

三学年

進路の選択・決定と自己実現

1)進路希望の再検討と望ましい進路選択のための援助

2)進路に対する具体的な学習指導

3)卒業後の生活への適応と自己実現の努力への指導助言

 

(三) 進路指導計画の改善点

進路指導計画は、生徒・保護者及び地域社会の実態、社会の情勢などを十分考慮して立てるべきである。本校では、指定研究を契機に種々の角度から実態調査が行われ、それに基づいて進路計画を見直し、改善点を設定した。(21ぺージ表1参照)

 

(四) ロングホームルームにおける進路指導計画(22ページ図2参照)

ロングホームルームにおける年間指導計画の作成にあたっては、次のような点に配慮した。

1 ロングホームルームの年間指導計画は、生活指導部のホームルーム係を中心としている。しかし、内容が進路指導にかかわるものについては、学年の自主性を尊重しつつ、学年、進路指導部、生活指導部が合同で立案ずるようにした。

2 六十年度の反省として「職業を意識した指導が欠けている」とか「啓発的経験を深める活動が不足している」との指摘があったので、六十一年度からは、二年生に職業講話や工場見学なども取り入れた。

3 また教師の調査で、ロングホームルームの進路指導が継続的、計画的に行われなかったとする者が半数を超えたので、六十一年度からは、学校行事等でロングホームルームの予定を変更することのないようにした。また、進路にかかわるロングホームルームについては、各学年とも同一テーマで同時展開をすることとした。

 

五、進路指導改善のための実践例

 

(一) ロングホームルームにおける進路指導

ロングホームルームの具体的展開に際しては次のような点に留意している。

1 進路指導にかかわるロングホームルームについては、学級担任・進路指導係・ロングホームルーム係による事前研究会と事後反省会を実施することにした。

2 六十一年度からは本校独自の進路ノート一写真)を作成してロングホームルームで使用している。その理由は次の通りである。

1)本校生の実態に合った身近な資料で指導できる。

2)進路ノートに保護者の意見を記述する欄を設けることにより、学校や生徒に対する保護者の関心を高めることができる。

 

本校で作成した進路ノート

本校で作成した進路ノート

 

 

 


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