教育福島0132号(1988年(S63)07月)-046page

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研究実践

レポート

 

豊かな感性と創造性を育てる

−理科(小学校)・音楽(中学校)の指導−

 

ここで紹介する二つの研究実践は、昭和六十二年度県公立幼稚園・小・中・養護学校教職員研究論文の入選論文です。

個性に応じて四季の特徴や微妙な変化を鋭くとらえるには、どのような手だてが有効か

 

大信村立大屋小事校

教論 深谷 和子

 

一、主題設定の理由

(一) 五感のとらえ方は、人それぞれであるので、お互いが、それぞれの五感をみがき合いながら、個性の生かせる学習を進めたい。

(二) 三学年の内容−生物とその環境1が、系統性のある、生きた教材となるための手立てを研究していきたい。

(指導法の改善を図る)

(三) 豊かな自然に、自ら、親しみ、自然に働きかけることのできる子の育成を目ざしたい。

 

二、研究仮説

A生物とその環境(1)〜(3)の内容を実践する上で、一番の悩みは、いかにして学習意欲を持続させながら、一年間の長期観察をさせるかということではないかと思う。そこで、

ア、一時的な興味や断片的なとらえ方にならないようにする。

イ、自ら進んで、自然に働きかけていきたくなるようにする。

ウ、自然の変化に敏感になっていくようにする。

といった三点での対策が必要ではないかと考えた。

そのための手立てとして

(一) 新聞づくり

(二) 自分の植物づくり.

(三) 季節ごよみづくり

(四) 気づきカードの利用

(五) その他(ビデオ等の利用など)を考えた。これらの手立ては、ア、イ、ウ、のいずれか、または関連して、変化のある授業づくりに役立ち学習意欲を持続させていく上でも効果があるのではないかと考えた。

 

三、研究の方法と内容

(一) 新聞づくり

“われら、ふれ合いの丘の四季”として、季節ごとに、グループで新聞を発行する。グループ内では、役割分担をし、一人ずつ必ず自分の記事を書く。

四季のまとめでは、個人ごとの新聞づくりをする。

(二) 自分の植物づくり

身の回りから、自分で観察したい植物(動物でも可とした)を選ばせ、一年間、その成長の様子を調べていく。

(新聞に書く)

(三) 季節ごよみづくり

毎日の温度を調べぼうグラフと折れ線グラフで表す。

児童の日ごろの観察日記や四季の変化を写した写真を貼って、一目で、四季の変化がわかるような季節ごよみを作る。

アブラナ、ヘチマ、オタマジャクシ、サクラ、イチョウの変化は共通して観察していく。

(四) 気づきカードの利用

「○○見つけた」という気づきカードに、周囲の変化に気づいたとき、先に見つけた人のカードを掲示してやる。

(五) その他

○「わたしたちの学校紹介」ということで、グループごとに、ふれ合いの丘をピー・アールしてもらい、ビデオに撮る。

〇四季の変化を植物ごとに写真に撮っておき、スライドにする。

○押し花づくりをし、花や草木の名前を調べる。

○他県と手紙の交換をする。

 

四、研究計画

学校周辺がみな自然に囲まれているため、ちょっとの時間を利用すれば、すぐ自然に触れることができる。

そこで、

1) 日課の中に、毎朝“ふれ合いの丘”へ行って、自然に触れる時間を取る。

2) 年間の月別計画

(資料1参照)

3) A領域の年間計画では、春夏秋冬まとめの段階のそれぞれにおいて、第一次・第二次.・第三次・第四次で、共通して学習を継続していける時間を確保し、系統性のある指導計画を工夫する。

 

五、実践の記録(◆は結果)

(一) 新聞づくり

〈特徴〉

〇 四季の特徴を訴える新聞づくりをしていくことが、単元のねらいと一致する。

○ 自分の植物の研究が生かせる。

〇 一人では気づけないことでもグ

 

 

 


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