教育福島0132号(1988年(S63)07月)-047page
ループの中で、教え合える。
○ 教室に掲示しておけるため、四季の変化を追ったり、比較したりできる。
○ ペーパーテストでは評価できないの情意の評価ができる。
(1) グループ新聞づくりでの成長
◆○ 新聞づくりの楽しさを知る。
◆◆ 春からの変化を意識できた。
◆ 自分の担当の記事が、詳しく書けるようになった。
◆ 全体の仕上がりが、見栄えのするものになった。
◆◆ 季節の特徴が、強調されて一目で、秋が感じられた。
◆ 読む人に、驚きや感動を与える内容の工夫が見られた。
◆ 実物や写真、絵と文字のバランスを考え、読む人の興味を引く工夫がされた。
◆◆“静の世界”へ移った特徴が、あらゆる面から表現されていた。
◆ 冬だけに見られる現象を他と比較したり、原因を考えたりしながら書かれていた。
以上のように、発達段階に応じて、だんだんよい新聞づくりができるにしたがって、内容に深まりが出てきた。同時に、学習の上からも、内容が豊富になっていった。
(2) 個人新聞づくり
四季を学習後(個人で)まとめをさせていった。
◆ 個性の表われた新聞ができた。
◆ グループで学習した内容が、個にどう生かされていくかが読み取れた。
(二)、自分の植物づくり
自然の中に自分の観察したい植物を決め、名札をつけ、自然に触れる機会をつくっていった。
◆ 名札が付けられたことにより、友だちの植物にも目が向けられ、毎日の観察が、待ち遠しいようになった。
◆ 植物の毎日の変化に敏感になり、抵抗なく観察に飛び出した。
(三)、季節ごよみづくり
個人ごとには、観察記録をまとめたパンフレットを作らせ、・教室内にも、一年間のこよみを掲示しておいた。
〈特徴〉
〇 四季の変化(流れ)が、常に一目でわかり、活用も幅広い。
○ 温度と植物(動物)との関連づけが、たやすい。
〇 一年間の温度変化が、見通せるので、季節の特徴がわかる。
(四) 気づきカードの利用
◆ 自分のカードを貼ってもらいたくて、競争し合って、自然探検に出かけた。
◆ 自然界の微妙な変化にも敏感になっていくため、ひとりでに、五感がみがかれていった。
◆地域の自然に親しみを持ち、植物の名前を自分から調べるようになった。
(五)、その他 (略)
六、研究の成果と課題
(一) 成果
1)手立ての中の、・新聞づくりでは、春・夏・秋・冬と進むにつれ、はっきりした子どもたちの成長を見ることができた。
2)一年間、じっくり観察し、身近な自然に触れていった自分の植物づくりは、自然界のしくみや動植物への強い関心につながった。
3)気づきカードでは、自然をよく見つめる目が育ち、四季の変化を敏感に感じることができるようになってきた。
4)教室に掲示した季節ごよみでは、
資料1 年間の月別計画
※(1)と(3)は、継続観察である。
自然の変化に気づいたら、自分のカードを貼る