教育福島0133号(1988年(S63)09月)-012page
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三、道徳教育の全体計画(省略)
四、研究の実際
(一) 研究経過の概要
昭和六十二年度〜六十四年度の三年間文部省指定道徳教育学校・家庭連携推進校として、学校区内の家庭及び地域社会の連携・協力の下に、学校内外における一貫した道徳教育の在り方について研究している。
研究の内容を
(1) 主題に鋭く迫るための授業の質的改善
(2) 自ら進んで実践できる子供の育成
(3) 学.・家連携による家庭及び地域社会の教育力の向上とし研究実践構想を作成した。(資料1)
(二) 授業研究推進班の取り組み
自分の心をじっとみつめさせ、高められた価値によって主体的に自覚させる指導がねらいである。
(1) 年間指導計画の改善
全教師参加による要件を具備した指導計画を作成し、その活用を図る。
1) 時期
2) ねらい(価値・角度づけ)
3) 資料(吟味とその活用類型の工夫)
4) 基本発問の吟味
(2) 道徳の時間の改善
児童一人一人が、より高められた価値観に照らして、今までの自分はどうであったかをみつめる時間である。
1) 指導過程の基本型を決める。
ア 気づく(価値への方向づけ)
イ 深める(価値への追求・把握)
ウ みつめる(今までの自己の在り方の自覚)
エ まとめる(ねらいとする価値の整理、意識の継続化)
2) 授業の質的改善
ア 資料分析と活用を適切に行う。
ねらいに関する多様な価値を引き出し、深く気付かせるため、十分条件と必要条件を考える。
イ 発問の精選と吟味をする。
資料を取り扱った後での発問は、児童から多様な価値観を引き出すこと。自分を見つめさせるところでの発問は、直接・間接の経験と能動・受動の経験とを組み合せて考える。事実だけでなく、そのときの心情や判断を併せて聞くようにする。
ウ 価値把握における価値観の類型化を試みる。
他者との同一性、共通性を知ると同時に、他者との違いを知ることができる手段として取り入れる。
主として児童の発言、体験によるものであるが、ときには、教師が加えることもある。全授業で試みるというのではなく、内容によって考え、柔軟な対応をしている。
○ 正価値と反価値の対置
○ 道徳性からみた高低
○ 価値の複合
○ 異なる価値観の列挙
低学年の場合は、価値観が抽象化できない状態であるので、具体的な生活経験、生活事象を列挙することが多い。そのため、教師はどのような価値観に支えられているかを見抜いて整理分類することが大切である。
エ 価値把握の操作として、自己を見つめる場を設定する。
多様な価値観を全体的価値把握に高めることにより、今までの自分のありようがはっきりと意識づけられるとともに、自分以外の価値観も自分の意識の中に取り入れ、補充、深化、統合する作用が行われる。
「あ、そうか」「ああ、そうだったのか」という胸にすとんと落ちる深い感動を伴う価値認識を一人一人にさせる。
(三) 実践推進班の取り組み
(1) 一日の生活を通して、ひろい心を育てる実践基本的生活習慣の重点項目として、
○ あいさつをする。
○ めあてをもって最後までやりぬく。
○ 身のまわりの整理整とんをする。を取り上げ、学校での実践活動について指導をしている。
登校から下校までの生活日程に従って、望ましい生活態度を「一日の生活マナー」として具体的に決め、それを職員の共通理解を図りながら「がんばる週間」を設けて強化指導したのは効果的であった。
(2) 奉仕活動を通して、ひろい心を育てる実践
1) 霞が城公園・二本松少年隊墓地清掃
五・六年生が学校行事として毎年実施している。事前、事後指導を含め、公徳心、郷土愛を培うのに最適である。
2) 愛校日による環境美化作業
毎月「一日」を活動日とし、教師と児童が共に汗して働く環境美化体験の場としている。年間の活動計画があり、全学年が参加する。
3) 児童会各委員会活動による奉仕活動
活動には、四年生以上の全児童が参
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自分で考え、心を見つめる授業
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