教育福島0136号(1989年(H01)01月)-043page
がランランと輝いているようでした。不動沢の探検で、班員全員の食料を全部背負い、岩場を登り、班の人たちの団結が一段と強化され班長としての責任を果たしたということを聞いて胸が熱くなってきました。(中二男保護者)
四、成果
厳しい自然環境の中で、しかも初hての人との九泊十日にもおよぶ長期間の苦しみをわかちあい、共に汗を流した生活や、指導者のひたむきな姿に接して、子どもたちには日を追って心身の大きな変容が見られた。(資料4参照)
これらの成果は、参加した児童生徒や保護者・指導者等の感想文やアンケート等をもとに、次のように集約できる。
(一) 心身のたくましさが培われた。
厳しい環境の中で、生活していくための環境整備のつらさや、安全確保等、さまざまな不自由と困難に耐えぬく自信がつくなど、心身のたくましさが培われた。
(二) 豊かな感性が育まれた。
美しくかつ厳しい自然との出合いを通して、自然に対する感動や畏敬の念、動植物に対する親しみや慈しみの感情、生命の尊さを知るとともに、神秘的なロマンの世界にひたる想像力が培われるなど、豊かな感性が育まれた。
(三) 協調性、連帯感など、社会生活に必要な資質が培われた。
未知の人との出会いを通して、異年齢集団における自己の役割と他者の存在を認め合い、協調性、連帯感、責任感など社会生活に必要な資質が培われた。
(四) 深い信頼と厚い感謝の心が育まれた。
豊かな日常生活を離れた厳しい環境の中で、不自由を克服する体験を通して物の大切さや、両親「仲間、教師への深い信頼と厚い感謝の心が育まれた。
(五) 生涯の思い出に残る友情が育まれた。
共に知恵を出し合い、共に汗を流し、苦労を分かち合う生活の中で、先輩、後輩、友人との人間関係を学び、敬愛や思いやりなど、お互いの心の絆を深め、生涯の思い出に残る友情が育まれた。
(六) 主体的・能動的に生きようとする姿勢が培われた。
不自由や困難との出合いを通して、課題解決の意欲、生活を切り開いていく知恵、積極的な行動力等が生まれるなど、主体的・能動的に生きようとする姿勢が培われた。
(七) 謙虚さや素直な心が培われた。
十日間の昼夜を分かたぬ、ひたむきな指導者や先輩・後輩の姿に、相互に敬愛し、心くばりや指導に素直に従うなど、謙虚な態度や素直な心が培われた。
おわりに
アドベンチャーキャンプが終わって何よりもうれしかったことは、五十名の子どもたちが全員そろって真っ黒に焼けた顔で、身体で、各々の家族のもとへ帰っていったことである。
「九泊十日をやってのけたぞ。」という思いは、参加者全員に共通した感激であり興奮であった。この「九泊十日をやってのけた」という思いこそ、最大の収穫であり、それが子どもたちの今後の生活の中で大きなエネルギーとして存在していくにちがいない。
資料4
フロンティア・アドベンチャー」に参加して変わったこと
裏磐梯の雄大な眺めを楽しんだ猫魔岳登山