教育福島0137号(1989年(H01)02月)-015page
小・中学校教育
−総論−
−道徳教育−
−特別活動−
−生徒指導−
−へき地・小規模校−
−各教科の指導の重点−
総論
各小・中事校においては、地域や学校の実態及び児童生徒の発達段階に即し、新学習指導要領の趣旨を踏まえ、自校の教育課題の解決をめざした「特色ある教育課程」を編成し、全教職員の美通理解のもとに、適正に実施することが必要である。
特に、基礎・基本の徹底、自己教育カの育成、個性の伸長、徳育の充実、国際理解・精報化への対応等、教育課程の基準の改善において重視された内容については、十分に砥究し、自校の教育活動に生かせるよう、積極約に創意工夫することが望まれる。
本年度、県教育委員会では、重点施策「教育内容、方法の改善充実」の一つとして、新たに「児童生徒の学力向上」を設定し、各学校での意欲的な実践を期待している。
教育課程審議会の答申で提示された「基礎約・基本的内容」をすべての児童生徒に確実に身につけさせることは、各学校における最も重要な課題である。
本年度は、この課題解決を目指して「学習指導の改善・充実」のために、次の点について努力する必要がある。
一、教材の系統・発展を的確にとらえ基礎的・基本的事項を明確にするとともに、指導を徹底して確実に身につけさせる
二、各教科の特質に応じた学習の仕方の指導の充実を図るとともに、自己教育を育成するための指導過程や指導方法を工夫する
三、児童生徒の個人差に応じ、個性を生かした指導に努める
四、国際化、情報化など社会の変化に対応できる能カを育成するとともに、郷土の文化と伝統を尊重する態度を育てることに努める
五、学習指導における形成的評価の在り方、情意面の評価の在り方について工夫・改善し、指導と評価の一体化を図る
各学校においては、日常の教育活動の中で、これらを踏まえるとともに、以下に示す各教科、領域等の指導の重点を活用して、指導計画と指導方法の改善を図り、充実した教育活動を展開できるよう努力することが大切である。
道徳教育
「徳育の重視」の視点を明確にして道徳教官の充実を図り、児童生徒の望ましい道徳性を賛成するために、次の点に努力する。
一、道徳教育の目標や児童生徒・地域の実態から、重点的な指導が展開できるよう全体計画や年間指導計画を改善する
(一) 道徳の時間をはじめ、学校教育活動全体における自校の道徳教育の課題を明確にした全体計画に改善する。
(二) 日常の授業の反省記録を累積し、主題名、ねらい、資料、展開の大要等を具備した年間指導計画に改善し、積極的に活用する。
二、道徳教育のねらいを達成するため、道徳的実践カの育成をねらう道徳の時間の指導を充実する
(一) 主題のねらいを明確に押さえ、「ねらいとする道徳的価値を資料を通して追求し、より高められた価値として把握すること」「より高められた価値観に照らして今までの自分はどうあったか見つめること」の二つの要件を含む指導過程を組織し、授業を充実する。
(二) 適切な発問を工夫し、特に、児童生徒がより高められた価値観に照らして今までの自分を見つめる(価値を主体的に自覚する)指導の充実を図る。
(三) 郷土資料の開発に努めるなど、多面的な資料の収集や、ねらいに合った適切な資料の選定・分析を充実する。
(四) 役割演技やノートの活用・工夫など、ねらいに合った多様な学習活動を組織し、深まりのある学習を展開する。
三、指導の効果を高めるために、評価を工夫する
常に児童生徒の道徳性の実態を諸調査等により具体的に把握するよう努めるとともに、その評価の方法を工夫して授業の改善に役立てる。
四、日常の生活における基本的行動様式をはじめとする道徳的実践の指導を充実するため、学校教育活動全体を通した実践の場の設定や、家庭・地域社会との連携を図った道徳教育を充実する