教育福島0137号(1989年(H01)02月)-038page

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研究実践レポート

 

子どもが楽しく生き生きと活動できる学級経営の試み

−造形活動を生かして−

郡山市立大槻小学校教諭 仲村 景子

 

一、主題設定の理由

(一) 大きな期待と不安をいだいて入学してくる一年生にとって、学校は楽しく希望の持てる場でなければならない。低学年の児童は、とりわけ造形活動を好む。そこで、造形活動を生かして学習や学級での生活の中に適度な刺激と変化を持たせ、楽しく生き生きと活動させたい。

(二) 造形活動には個性がよく表れる。造形表現の見方の指導や共同製作・グループ活動などを通して、友だちの良さに気付かせ、友だち一人一人の個性を認め合わせ、思いやりのある心や仲間意識を高めさせたい。

(三) 本校の交流教育の実践研究を踏まえ、手と目と心を使った造形活動を通して、児童に聴覚障害児のことや、聴覚障害児が自分達の仲間であること等の理解を深めさせ、共に生きる喜び、共に学ぶ楽しさを感じとらせたい。

これらの活動を通して自分が認められ、共に生きる喜び、共に学ぶ楽しさが感じられる学級づくりの中で、自分たちの生活をより豊かにしょうとする積極的な態度や思いやりの心を持った子どもを育成したいと考え、本主題を設定した。

 

二、研究の見通し

子どもたちが、生き生きと楽しく活動できる学級集団を育てるため、次のことに努めれば子どもたちは、環境に対する豊かな感受性や望ましい人間関係が醸成でき自分たちの生活をより豊かにしていこうとする積極的な態度や思いや号の心を持つようになり、楽しい学校生活を送ることができるようになるであろう。

(一) 学校生活のあらゆる場面に造形活動を峯かし、五感や心でとらえたことを楽しく表現できる掌翌活動を工夫する。

(二) 学級生活の中で、共に学ぶ楽しさや共に生きる喜びを味わうことのできる場を多く設定する。

 

三、研究内容と方法

(一) 学級経営の目標の明確化・運営方針の具体化を図り、望ましい人間関係の醸成に努める。

(二) 総合的造形活動を試み、造形活動の日常化を図り、楽しい学級生活・学習活動づくりに努める。

(三) 造形活動を生かした楽しい合科的指導を試みる。

(四) 造形活動を通して、障害児との交流を行い、障害児に対する認識と理解を深め、共に伸びようとする心を育て、実践力のある児童の育成に努める。

(五) 造形活動の基礎を培うため、図画工作科の授業の充実を図る。

 

四、研究実践

(一) 学級づくりの工夫

1) 触れ合いの場を多く

ゲームや造形遊びを通して互いに知り合う時間を十分とり理解を深めさせる。

2) どの子にも責任の場を

子どもの能力に合った役割を与え責任を持って遂行させ、自己の存在感と集団への所属感を持たせる。

3) さようならは目と心で

一人一人と固く握手しながら、「大きな声で、お話上手だったね」と、今日の努力を認め、「明日も」の意欲づけを図り、学校への期待を持たせる。

4) 小さなことにも拍手

ちょっとした親切、良い発言や活動などに対して拍手をおくり、みんなで認め合い実践力を高める。

5) 作品や名前に修飾語を

「色づくりの王様○○君」「切り切り名人○○さん」「すいすいチャンピォン」その子どもの小さな努力や得意なところを認め、自己存在感を高める。

6) まちがいは宝物

まちがっても傷つかない教室の雰囲気づくりに努め、話合いのできる学級にする。

7) いつも語りかける教室

学習や生活意欲を高める教室環境づくりに努め、教室がいつも生き生きと子どもに語りかけるようにし、明るく楽しい雰囲気を作り出すようにする。

 

 

 


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