教育福島0138号(1989年(H01)04月)-033page

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二十四ぺージより続く

 

・第二分野(外国語の学習)

英語の勉強は好きか、英語の勉強は努力しているか、英会話の勉強をしてみたいか、英語以外の外国語の勉強はなどの四つの質問である。第一次においても英語の勉強について「好き」「努力している」との肯定的意識者の割合は低かったが、第二次でさらに下がっている。これに対して英会話への興味、他の外国語への関心は高く、第二次においてもさらに高まっている。本校では第一次アンケートの結果を踏まえ、英会話を重視した英語教育の実践をしてきた。その結果、第二次では、英会話への興味が高まり、肯定的意識者の割合が高まったと考えている。

・第三分野(日本と外国との関係)

外国との経済的関係についての質問を三つ実施したが、どの質問に対しても関心は高く、かつ第二次の結果は、一次よりも肯定的意識者の割合が高まっている。

・第四分野(諸外国の文化の理解)

外国の映画が好きか、外国の高校生の生活への興味は、食生活への関心は、外国人の「ものの考え方」の四つの質問である。「ものの考え方」以外の質問に対しては、肯定的意識者の割合が高く、さらに第二次ではその割合が上昇している。ものの考え方を調べることについては、一次、二次ともに低い結果であり、思考を苦手としている高校生の気質がうかがい知れた。

・第五分野(人類の課題)

食糧、環境、人口、紛争についての質問である。どの質問にも高い肯定的意識者の割合が高く、かつ、第二次のアンケートでより高まっている。その時々のマスコミ等の情報量の多少に大きく関係していることを知ることができた。

・第六分野(郷土の理解)

郷土の文化財(歴史)への関心、文化財への誇り、文化財を外国人に紹介したいかの三つの質問である。第一次ではどの質問についても一〇パーセント台の肯定的意識者の割合であった。この結果に基づいて、郷土理解のために「学校課題」の研究を実施することにしたが、第二次アンケートの実施後に、学校課題の研究に着手したため、第二次でも肯定的意識者の割合の高まりは見られなかった。

 

六、今後の課題

 

二年間の研究では所期のねらいが十分に達成できないので、次のことを継続的に実施していく方針である。

(1) 国際理解にかかわる授業の研究

(2) 国際理解にかかわる講演会の開催

(3) 長期休業中の学校課題の研究

(4) レシテーションコンテストの開催

(5) ボランティア活動の推進

 

資料5 学校課題研究の方法

 

「学校課題」研究実施要項

 

1、 目的

(1) 郷土の理解を深める

(2) 事実を基にして、長文を書き、文章表現を身につける。

2、 研究の方法

(1) 次のことを考えて課題を設定する。

1)興味と関心の高いもの

2)資料が得やすいと考えられるもの

3)自分の置かれている条件に合ったもの(例、新聞配達をしているものは、朝早い時間でないと調べられないもの)

4)研究課題を設定する。又は別紙課題一覧から自分にあった課題を各先生方から提出してもらっておく)

(2) 調査(研究)の計画の立案、実施

1)課題を選んだら、研究の方法について先生と相談する。

2)選んだ課題について、どんな項目で調べるか細かくわけてみる。

3)調べる順序と方法、場所等について考える。(「いつ」「どこで」「なにを」「どんな方法で」「だれとに」を基本とすること)

4)調査の過程で疑問に思ったことは必ずメモしておくこと。その疑問を追及していくことが研究を深めることとなる。

5)調べたことを図(グラフ・地図)や表にする。写真を撮るのもよい。

6)調べたことを文章にする。

(3) 調査にあたって留意すること

1)調べるときは必ずメモを持ち、メモすること。

2)調べを終えたら、メモをもとにして、その日のうちに調べたことをまとめる

3)人に話を聞く場合、調べる目的をはっきり告げること

4)調査の過程でどうしたらいいかわからない場合は、課題を出した先生と相談すること。

3、 研究のまとめ

(1) 横書き原稿用紙(B5版、学校指定のもの)に5枚程度にまとめる。

(2) 原稿用紙の使い方は、正しい「原稿の書き方」によるものとする。

(3) 原稿用紙にまとめる内容はおよそ次のとおりとする。

1)課題のテーマを書く

2)研究のねらいを書く

3)調査の方法と事実を書く

4)調査の結果わかったことを書く

5)調査のまとめ(結論)を簡単に書く

6)全体の感想を書く

(4) 図や表、写真は原稿の中にはっても、あるいは別紙にはってもよい。

4、研究の日程

(1) 学期末試験終了後に、学級で「学校課題」の研究について学級担任から説明を受ける。

(2) 長期休業に入る前に課題を決定し、学級担任に報告する。

(3) 学級担任より原稿用紙を受け取る。

(4) 長期休業終了後に研究の結果を提出する。(生徒→学級担任→課題提出者→国際理解係)

 

 

 


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