教育福島0139号(1989年(H01)06月)-006page

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提言

 

充実した学級経営を

 

福島県中学校長会長

 

福島県中学校長会長

佐藤 寛

 

【筆者紹介】

佐藤 寛

昭和五年 伊達郡保原町に生まれる

昭和二十五年 福島師範学校卒業以降、富成中・保原中・醸芳中教諭、大石小・梁川小教頭を歴任

昭和五十一年 安達郡白岩中一現白沢中)校長

昭和五十四年 県教育庁県北教育事務所(管理主事、管理課長、次長)勤務

昭和五十九年 相双教育事務所長

昭和六十年 県北教育事務所長

昭和六十二年 福島市立福島第四中学校長

昭和六十三年 福島県中学校長会長に就任

 

今年も三月から四月にかけ、どこの学校でも別れや出会いの感動のドラマが繰り広げられたことと思う。

しらけ世代といわれている中学生でも、厳粛な卒業式のあと、担任や後輩に見送りをうけることになると、学級担任をてこずらせた生徒も、そうでない生徒も一様に感無量になるのであろう。肩をたたかれて励まされ、涙を拭きながら母校を巣立っていく姿を見ると、毎年のこととはいえ、担任ならずともジーンとくるものがある。

しかし、このような形で送り出せない生徒が中学校にでてきたことは事実である。登校拒否のため、卒業式に出席できず、後日校長室で保護者同伴で卒業証書を授与しなければならないことは心が痛む。それよりも、登校拒否の生徒を受け持った担任は、家庭訪問、電話連絡、関係機関との連絡等に忙殺されており、その苦労はなみたいていのことではない。

 

最近の青少年の問題行動の原因として、現代の子どもの内面的幼児性、または、自己中心性の肥大化が指摘されている。物質的に豊かな社会で、物の欲求が完全に充足され、親の手厚い保護の下に養育されてきたため、内面的な精神の発達が妨げられ、心身ともにひ弱で、試練や挫折に耐える力に欠けているからであろう。

また、幼児期から、視覚的、映像的文化に多く接しているため、感覚的に物を見たり考えたりする。発想も短絡的であり、かっこ良さだけを求めて行動するなどということも指摘されている。

確かに、中学生と接してみると、現代っ子をこのような見方でと

 

 

 


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