教育福島0141号(1989年(H01)09月)-022page
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特集3
社会性と好ましい人間関係の育成を目指して
交流教育の実践
養護教育課
一、交流教育のあゆみ
心身障害児の教育は、長い間個々の障害に応じた指導訓練にのみ関心が向けられ、心身に障害のない児童生徒との交流教育には、あまり目が向けられませんでした。
昭和四十四年、特殊教育総合研究調査協力者会議からの報告「特殊教育の基本的な施策のあり方について」の中で「心身障害児に対する教育は、その能力、特性等に応じて特別な教育的配慮のもとに行われるものであるが、普通児とともに生活し教育を受けることによって人間形成、社会適応、学習活動など種々の面において教育効果がさらに高められることにかんがみ、心身障害児の個々の状態に応じて、可能な限り普通児とともに教育を受ける機会を多くし、普通児の教育からことさら遊離しないようにする必要がある。」と述べられ、交流教育の必要が強調されるようになりました。
その後昭和五十四年の盲・聾・養護学校の学習指導要領に、「児童又は生徒の経験を広め、社会性を養い、好ましい人間関係を育てるため、学校の教育活動全体を通じて、小学校の児童又は中学校、高等学校の生徒及び地域の人々との活動を共にする機会を積極的に設けること。」と述べられ、初めて交流教育の必要性が示されました。また同年七月六日に文部事務次官より小学校、中学校及び高等学校においてもこの趣旨を十分理解し、適切な教育活動が展開されるよう格段の配慮を要請する通知が出されました。更に、小学校、中学校の児童生徒に心身障害児に対する正しい理解と認識を深めさせるための指導の在り方について研究を行う心身障害児理解推進校の指定事業を始めたのもこの年でした。
なお、福島県教育委員会においても、昭和五十四年度から県単事業として、養護教育交流推進事業を開始しました。これまでの文部省及び県教育委員会の指定校は延べにして百二十校に及んでいます(表1参照)。平成元年度の交流教育指定校は表2に示したとおりです。
二、交流教育の意義
心身障害児は、その障害の種類や程度等によって発達の遅れや偏りがあったり、二次的障害としての人格形成上のつまづきがあったりするため、その教育は、特別な配慮のもとに行う必要があります。しかし、一方、
表1 昭和51年度からの交流教育指定校数 (平成元年7月現在)
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表2 平成元年度交流教育指定校
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