教育福島0142号(1989年(H01)10月)-002page

文化の窓

県立美術館企画展案内

第三回具象絵画ビエンナーレ

《人の生きる・今》

期間十一月十一日(土)から十二月十日(日)まで

場所福島県立美術館

今日の絵画は、写真のように写実的に描いた絵画から、線や色、面を組み合わせた抽象絵画まで、さまざまな表現がみられます。その多様性は、二十世紀の絵画のめまぐるしい展開の結果でもあり、また画家たちの絵画に対する考え方や現代という時代のとらえ方をも反映しています。

このような絵画の現況の中で、抽象絵画を除いた具象的傾向の絵画作品を一年おきに紹介するのが＜具象絵画ビエンナーレ＞です。

三回目を迎えた今回は、現代日本の具象絵画の状況を反映した内容とするため日本画家からの出品をも求めました。そして＜人の生きる・今＞というテーマを設定し、画家たちが現代の世界と人間について、どのように考え、そして表現しようとしているのかを問うています。

出品される作品は、風刺性の強い戯画的なもの、幻想的な心象風景、日常生活の一コマをユーモラスに描いたもの、人物や風景を抽象的に表現したものなどさまざまです。これらの作品は評価の定まった名作ではありませんが、私たちと同じ時代を生きる画家たちによる生まれたばかりの絵画の中に、新しい美を発見できるかもしれません。

(出品作家)

明山応義　伊藤清和　稲垣考二　内田あぐり

大沼映夫　奥谷博　奥村光正　筧本生

金森宰司　川口起美雄　川端健生　絹谷幸二

黒田克正　小杉小二郎　斎藤吾朗　櫻井孝美

佐々木豊　佐藤泰生　島田章三　滝沢具幸

谷川泰広　玉川信一　田村能理子　土嶋敏男

野田弘志　平賀敬　星野真吾　堀研

松井ヨシアキ　八島正明　山本直彰　米谷清和

渡辺拘三