教育福島0145号(1990年(H02)02月)-006page

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提言

 

特性開発の教育を

 

県外在住功労知事表彰者

 

県外在住功労知事表彰者

鎌田正

 

【筆者紹介】

 

鎌田正・かまたただし

明治四十四年

相馬市馬場町に生まれる

昭和十二年

東京文理科大学漢文学科卒業

同十二年

東京文理科大学副手、助手

同十三年

東京高等師範学校附属中学校教諭

同二十年

東京高等師範学校教授

同二十五年

東京教育大学助教授

同三十二年

東京教育大学教授

同三十六年

文学博士(東京文理科大学)

同四十三年

全国漢字漢文研究会副会長

同四十五年

東京教育大学附属中学校長併任

同四十九年

東京教育大学教授定年退官、同大学名誉教授、東京成徳短期大学教授

同五十年

東京成徳短期大学副学長

同五十八年

勲三等旭日中綬章

平成元年

県外在住功労者知事表彰

 

今から約二十年ほど前、私が東京教育大学附属中学校長を兼任した当時、当校では特性開発の指導の試みとして、生徒の最も好きな科目を自由に選択させて週一時間ずつの特別指導を行っていた。当校は人材の輩出したふるい伝統のある名門であり、その伝統を継承する立場からも、この特別指導には至極賛成であったが、ただ中学校時代からの指導の当否について実証すべき根拠を求むべきであると考え、当校の卒業生で社会的一流の人物として各界に活躍されている千名の方々を選び、自分の特性を自覚して将来の進路を選んだ時期について調査したことがあった。

すると、千名のうち、その六割の六百名の方から回答があって、その結果は次のようなものであった。

行制度下とは若干のずれはあるが、この調査から次のようなことが判明した。

調査対象の方々は旧学制時代の方々であるから、現行制度下とは若干のずれはあるが、この調査から次のようなことが判明した。

1)幼稚園時代に自分の特性を自覚して将来の進路を決定された方は、一・三パーセントという低率ではあるが、いずれも音楽や絵画などの芸能に進んで大成した方である。囲碁・将棋などの天才もこの時代に出現するようである。

2)小学校時代は八パーセントで、これも低率ではあるが、幼稚園時代よりは多い。

 

 

 


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