教育福島0145号(1990年(H02)02月)-037page

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二 重度・重複障害教育内容の充実

 

1 指導計画は、自主的、主体的に環境とのかかわりをもつ力を育成することを目的として作成し、日常生活の基本動作の習得が図られるよう計画する。

2 訪問教育は、保護者との連携を密にして、学習活動が家庭や地域社会と遊離しないよう工夫する。

 

三 交流教育の推進

 

1 計画作成に当たっては、障害児には経験の拡大や社会性の伸長を、健常児には障害児についての理解を目標とし、交流活動を教育課程に位置付け、日常の活動へ発展できるようにする。

2 地域社会に対しては、地域の指導者やボランティア団体との連携を図り、積極的に交流活動を行い、交流教育に対する理解と協力が得られるように努める。

 

四 生徒指導の充実

 

1 全体計画は、小・中・高の一貫した指導体制を整備して、全教職員の参加により作成し、生徒指導の機能を教育活動全体に生かすことができるようにする。

2 指導に当たっては、個々の児童生徒の障害の状態や発達段階を的確に把握し、日常的な触れ合いを通して信頼関係を深め、内的状態の理解に努め、一人一人の自己実現が図れるよう援助を行う。

3 効果的な指導を推進するため、家庭や病院・施設の養育方針等の理解に努め、連携の在り方を工夫するとともに、相互に補完しながら指導に当たれるようにする。

 

五 進路指導の充実

 

1 指導計画は、小・中・高の一貫した指導が継続できるように指導体制を整備し、組織的、計画的に行われるよう作成する。

2 指導に当たっては、自ら障害を改善・克服し、積極的に社会参加・自立しようとする意欲を高めるとともに、進路に必要な職業的な知識、技能、態度等、基礎的な能力の習得に努める。

3 保護者の相談に当たっては、本人の能力・適性や進路に関する資料・情報を収集し、保護者の考え等を考慮しながら適切な相談ができるようにする。

4 進路の選択に当たっては、福祉・医療機関や職業安定所、事業所等との緊密な連携のもとに進める。

 

六 職員研修の充実

 

1 校内研修については、全教職員の共通理解と協力体制を整え、組織的計画的な研修活動の推進に努める。

2 養護教育センター等の研修や研究指定校の研究成果等の校内報告会を設定し、日常の教育活動に活用できるよう努める。

3 個々の教員の専門性や実践的指導力の向上を図るため、個人研修等が積極的に推進できるようにする。

 

七 指導上の配慮事項

 

1 指導に当たっては、障害の状態及び発達段階に応じ、個別や集団による学習を適切に組織して展開するとともに、体験活動を重視した指導に努める。

2 家庭、施設及び医療機関等との連携を密にし、指導の効果を上げるようにする。

3 体力の向上及び健康・安全の保持増進については、学校医等との連絡を密にし、体育の時間のほか、学校の教育活動全体を通して適切な指導を行うよう、個別資料の整備・活用に努める。

4 視聴覚教材や教育機器等については、障害の状態及び発達段階並びに能力等に適合した使用と開発に努めるとともに、コンピュータ等の新教育機器の積極的な活用を図るよう努める。

5 チーム・ティーチングによる授業を行う場合は、具体的な指導計画を共同で作成し、役割分担等を明確にして実施するよう努める。

6 交通事故防止の訓練や安全な遊び方等、危険から身を守る指導については反復して行い、安全な行動がとれるようにする。

 

以上のほか、特殊学級の指導については、次の事項に配慮する。

 

1 特殊学級の経営は、学校の経営方針の中に明確に位置付けるとともに教育目標も明確に設定する等、在籍児童生徒が生きがいをもって意欲的に学習できるように努める。

2 指導計画は、特殊教育諸学校学習指導要領解説や手引等を十分参考にして作成する。

3 指導に当たっては、体験学習を重視した指導に努めるとともに、特殊学級の教育に対する全教職員の共通理解を図り、社会性を養うため通常の学級との交流を適切に設ける。

 

 

 

 


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