教育福島0145号(1990年(H02)02月)-038page

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研究実践

 

昭和63年度教職員研究論文の紹介

 

基礎的・基本的な技能をとらえ

児童の泳力を伸ばす水泳指導

 

福島大学教育学部

附属小学校教諭鶴巻弘土

 

一、主題設定の理由

水泳は、児童が好む運動の一つである。しかし、泳げない児童にとっては、嫌いな運動になっている。嫌いな運動にさせてしまった原因の一つには、水遊び、浮く・泳ぐ、水泳へという指導段階における教師の指導のポイントの把握が不十分であったことが考えられる。二つには、低・中・高の各学年段階で身に付けておくべき技能の定着が不十分であったことが考えられる。

以上のことから、児童が泳げるようになるための基礎的・基本的な技能は何か、それらをどのように指導していしけば、泳げない児童が泳げるようになり、泳げる児童はより一層泳力を伸ばすことができるのかを明らかにしたいと考え、本主題を設定した。

 

二、研究目標…略

 

三、研究の仮説

1、水泳の特性をとらえ、泳ぎの構造を分析すれば、「浮く・泳ぐ」ための基礎的・基本的な技能を明らかにすることができるであろう。

2、単元の指導計画を三段階に、指導過程を四段階に分けて指導を行っていけば、児童に泳ぐための基礎的・基本的な技能を身に付けさせることができ、一人一人の泳力も伸ばすことができであろう。

3、水泳学習の仕方を身に付けさせ、基礎的・基本的な技能への到達の度合いや泳力の伸びを表にして提示していけば、進んで水泳に取り組もうとする学習意欲が高まってくるであろう。

 

四、研究内容・方法

1、計画…略

2、対象者第三学年児童三十八名…男二十二名・女十六名

3、内容・方法

(1) 基礎的・基本的な技能について

ア、水泳の特性の把握

(ア) 一般的特性

(イ) 児童の側から見た特性

イ、基礎的・基本的な技能の分析

泳ぎの構造を「息継ぎの仕方」と「簡単な動作から初歩的な泳ぎへと発展していく過程」の二面から分析する。

(2) 指導計画・指導過程について

ア、児童の実態調査……略

イ、単元の指導計画(資料3参照)

ウ、指導過程(資料4参照)

(3) 学習意欲を高める工夫

ア、水泳学習の仕方学習の流れを「順序」と「活動・内容」とに分けて、カードにする。

イ、学習意欲を高める評価の工夫

(ア)基礎的・基本的な技能への到達を知らせる評価

到達の度合いを「もう少し●」・「よい○」・「とてもよい◎」の三段階で評価し、一覧

 

資料1児童の側から見た特性

○ 泳いだり水に入ることにより、爽快さや楽しさを感じる運動である。

○ 泳力の低い児童ややせている児童は、水に対して恐怖心や不快感や不安感を抱き、それらが泳ぎたい気持ちを妨げる要因となり易い。

○ 長く泳げることやいろいろな泳ぎができることが、学習意欲を高める要因となる。

○ 輪.ビート板・ヘルパーなどの用具を使ったり、友達と仲良く練習したりして楽しみたい運動である。

 

資料2基礎的・基本的な技能の分析表

 

 

 

 


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