教育福島0145号(1990年(H02)02月)-045page
美術館だより
県立美術館企画展案内
〜アメリカ田園の詩情〜
「ワイエス展−ヘルガ」
会期四月一日(月)〜五月十日(木)会場県立美術館
アンドリュー・ワィエス(一九一七〜)は、自然やそこで生きる人々の姿を独特の透徹した写実的表現で描き、今日のアメリカン・リアリズム絵画の巨匠として世界的に知られる画家です。そのワイエスがひとりの女性ヘルガをモデルに十五年間も描き続けた連作ヘルガ・シリーズの存在が、今から五年ほど前に明るみに出て、世界の美術界を騒然とさせました。
唯一人の女性を描き続けたといら意味でも、世界の美術史上非常に希なこのヘルガ・シリーズは、テンペラ、トライブラッシュから水彩、鉛筆素描にいたるまで、総数二百四十点以上にのぼります。本展は、その中から選ばれた主要作品百二十六点を日本で初公開するもので、「髪を解いて」、「ヘルガの顔」、「眠る」、「秋」、「果樹園にて」など三十余のテーマによって構成されています。詩情豊かな女性像を追求したこのヘルガ・シリーズは、深い魅力をたたえるワイエスの絵画世界を堪能するまたとない機会となるでしょう。
編んだ髪 1979年
シープスキン 1973年
髪を解いて 1972年
平成2年度企画展の予定
1)ワイエス展−ヘルガ− 4/1〜5/lO
2)ヒーロー&ヒロイン展 5/19〜6/27
3)シャガール名作版画展 7/7〜8/19
4)北大路魯山人展 8/25〜9/23
5)酒井三良展 9/29〜11/4
6)ローマ発・大型銅版画への挑戦展 11/10〜12/9
7)福島の美術家たちIII 2/9〜3/17