教育福島0146号(1990年(H02)04月)-015page

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モデル市町村」を指定し、全県的に生涯学習によるまちづくりの推進に努めています。

平成元年度まで、十三市町村でこの指定を受け、生涯学習の推進体制を整備しています。

平成二年度は、この事業の拡大が図られ、新たに東和町、郡山市、喜多方市、下郷町、大熊町、いわき市の六市町村が指定されました。

 

平成元年度福島女性カレッジ開講式

四、生涯教育の推進のために−県生涯教育推進会議の報告から−

 

四、生涯教育の推進のために−県生涯教育推進会議の報告から−

 

去る四月四日に、県生涯教育推進会議議長(鈴木完一、市町村社会教育委員連絡協議会長)から推進本部長(副知事)へ、昭和六十三年度及び平成元年度の二か年にわたる調査、審議の結果をまとめた報告書の提出がありました。

以下には、その要旨について紹介します。

 

◇報告書の趣旨

本報告書では、「社会の急激な変化の中で、生涯学習を推進していくために良質な学習情報を迅速に提供することは不可欠な事であります。人々の自主的、自発的な学習活動を側面から支援し、種々の学習機会と人々の学習要求を結びつける効果的な学習情報提供の整備が望まれます。」と述べ、その整備方策等について次のようにまとめています。

 

◇内容の要旨

 

(1) 生涯学習社会における情報提供の意義と役割

今日の急激な社会変化の中で人々の学習要求はますます高まっている。

県民が主体的な学習に取り組める学習環境の整備を図るため、良質な学習情報を効果的に提供していくことが必要である。

 

(2) 学習情報提供の効果

効果的な情報提供システムが確立され良質な情報が提供されることは、人々の学習意欲を促すとともに、各自が抱えている学習や生活上の課題解決にも役立ち、結果的には生涯学習によるまちづくりの推進や住民の連帯意識の醸成などに関わって地域づくりに大きく貢献することが期待される。

 

(3) 新しい時代に対応した学習情報提供システムの必要性

各種のニューメディア等による学習情報提供システムの特色を比較・検討し、パソコン通信をはじめとするコンピュータ等を利用した学習情報システムがこれからの時代にふさわしいシステムであるとの方向を定めた。

一層の整備を図るためには、県並びに市町村に情報提供の拠点を設け、相互の連携を密にしてネットワークを構築する必要があるとしています。

 

(4) コンピュータ等を利用した学習情報提供システムの構想

県においては、各種の情報データベースを構築し、ホストコンピュータを設置して、県と市町村間等の学習情報システムを積極的に整備して、県民の多様なかつ自主的な学習活動の推進と、地域における生涯学習の充実・振興に資する必要がある。

コンピュータ等を利用したシステムとして、パソコン通信とファクシミリの両方の機能を活用できるシステムを今後、整備していくことが新しい時代に対応した方法である。

 

五、おわりに

 

急激な社会の変化に対応しながらより豊かな生活を築き、人生八十年時代と言われる長い人生を生きがいのある充実したものとして過ごしたいと願う人々が増えています。それとともに、生涯学習に寄せる期待と関心は、年ごとに高まってきており、学習環境の諸条件の整備が望まれています。

しかし、諸条件の整備もさることながら、生涯学習の充実を図るためには、人々が一度の人生を生きがいのある充実したものにするために、その生き方を求めて学習を積み重ねることが必要です。

教育とは本来、自己教育であると言えます。たった一度の人生を生きがいをもち「生き生き人生」を味わうためには、側面からの援助も大切なことですが、基本的には一人一人が常に学び続ける心をもって積極的に学習に参加していくことが必要で、それが「生涯学習社会」の形成にとって、最も大切なことであると考えます。

 

 

 


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