教育福島0146号(1990年(H02)04月)-038page

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研究実践

学習意欲を高め、自ら学ぶ児童を育てるために

社会 (謹教小学校)赤城壽彦

理科 (栃山神小学校)長島健司

 

児童生徒の学習活動を充実したものにするためには、基礎的・基本的内容の定着を図るとともに、自ら学ぼうとする意欲を高めることが必要です。

以下に紹介する二編の研究実践報告は、この点についてすぐれた成果を収めたもので、平成元年度県公立幼稚園・小・中・養護学校教職員研究論文に入選したものの概要です。

 

歴史学習において、児童一人一人の学習意欲を高め、基礎・基本の定着を図りながら、学習の満足感を持たせる授業はどうすればよいか

会津若松市立謹教小学校 教諭 赤城壽彦

 

一、研究主題設定の趣旨

 

昨年度まで、「学習のしかたを身につけさせる」ことをねらいとして、社会科学習の手順の理解や基礎的技能を高めることに取り組んできた。その結果、児童の社会科嫌いの傾向は減少したが、全ての児童に満足感や成就感を持たせたり、基礎・基本を定着させることができたかと考えると不十分な点が多かった。特に下位の児童の達成度の高まり、一人一人の児童が持つ個性を伸ばすことなど課題が残された。

そこで、一人一人の児童に目を向けた授業を組み立てていく必要があると考え、標記の主題を設定し、授業改善に取り組んだ。

 

二、研究仮説

 

(1) 仮説

歴史学習において、「人物を中心とした一小単元一サイクルの授業過程」を組織し、次の諸点に努力した授業を実施していけば、児童一人一人を意欲的に取り組ませながら基礎・基本の定着を図り、学習の満足感を持たせることができるであろう。

1) 人物に関連した出来事やエピソードをもとに、児童の知的好奇心に訴える「課題づくり」をする。

2) 指導計画や指導過程を「児童の個人差を踏まえた学習プロブラムや学習活動」を組み入れたものに改善し、児童の主体性を生かしながら個人差に応じた指導をする。

3) 日常生活の中で、児童に学びの喜びや新たな追究心を持たせる働きかけの工夫をする。

(1) 仮説に追る方法(略)

 

記者レポート作りに取り組む(第2時) 背面は前単元で作成した大仏

記者レポート作りに取り組む(第2時) 背面は前単元で作成した大仏

 

三、研究計画・日程(略)

 

四、研究の概要

 

(1) 授業実践までの準備

1) 実態調査の実施(略)

2) 指導計画、指導過程、学習活動の改善

従来の一斉指導をよりよい方向に改善するため、一斉から個別、個別から一斉へと、一斉学習を中心としながら児童の個別学習の場があるプログラムを作成し、児童の興味・関心、見方・考え方が生かせるようにした。

またその活動としてレポート、新聞づくり、体験的活動、選択できるノートなどを考えた。

3) 基礎・基本定着のための能力目標一覧表の作成

単元の基礎・基本を能力目標に分析し、効果的な学習活動は何かを明らかにした。

4) 研究構想・授業実践計画(略)

(2) 授業実践

以上のような実践の準備をもとに一斉、個別の組み合わせを考えた指導計画を作成し、授業実践に取り組んだ。その一例について述べる。

〈藤原道長と貴族のくらし〉から

本単元では、「満月の歌」から「道長がこんな歌を歌えるほどの勢力を

 

 

 


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