教育福島0146号(1990年(H02)04月)-043page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

二、研究事業

 

当教育センターの研究事業は「プロジェクト研究」と「個人研究」により推進しています。

「プロジエクト研究」は、部単位チームによる共同研究であり、本県が当面している教育課題から研究主題を設定し、研究協力校を依頼して理論と実践の両面から先導的専門的に追求していくことを目指しています。研究成果は「研究紀要」として毎年刊行し、県下各校に配付しています。

「個人研究」は教育現場の実践課題を踏まえた主題・内容とし、その成果を「所報ふくしま」等に発表して各学校で活用されることを期待しています。

なお、本年度は義務教育課、高等学校教育課と共催で「福島県教育研究発表大会」を平成三年二月に実施する予定です。

本年度のプロジエクト研究は次のとおりです。

 

「個を生かす学年・学級経営に関する研究」 (第一年次) 学校経営部

教育目標の具現の場は、学年・学級です。学年・学級は児童生徒の学習や生活の基盤であり、主体性や社会性の育成の場でもあり、個の伸長を図る場でもあります。学年・学級の集団の中では一人一人が集団の一員として認められ、尊重される中で個が生きることが大事です。

以上のような「個」重視の原則に立って、児童生徒一人一人の個が生きる学年・学級経営の充実策を追求するものです。第一年次の本年度はそのための理論研究と実態調査を行います。

 

「基礎・基本の定着と個性の伸長に関する研究」 (第四年次) 学習指導部

基礎・基本を身に付けさせる過程を通して、児童生徒一人一人の個性を生かす学習指導の在り方を追求します。

第四年次は、小学校算数科、道徳について、研究協力校における授業実践を通して、基礎的・基本的な内容の定着を図るための手だてと「よさ」を生かすための手だてを更に具体化するとともに、その手だての有効性を確かめる方法について一層工夫しながら主題を追求します。

 

「情報ネットワークの学校教育への利用に関する研究」 (第一年次)科学技術教育部

科学技術の発達に伴い、私達の生活の中に情報ネットワーク化が図られ、多くの情報が速く、正確に収集・伝達されるようになりました。そのために児童生徒の情報活用能力の育成や教育方法の改善のため、学校教育の中に情報ネットワークをどのように利用すべきかを研究します。

 

「事例を通した教育相談の進め方に関する研究」 (第一年次) 教育相談部

児童生徒一人一人の人格のより健全な成長をめざした、開発的な指導援助の在り方を三年次計画で研究します。

本年度は、開発的な指導援助のとらえ方を明らかにするとともに、学校におけるその指導援助の在り方を構築したいと考えています。

 

三、情報処理教育

 

従来の大型電子計算器によるフォートラン、コボル等の専門研修に加えて新教育課程に即した情報処理教育やリテラシーに関する研修を行います。

年間を通して、高等学校生徒にプログラミング、数値制御工作機械、自動製図機等の共同実習を行っています。

年間、教職員の個人研修には、延べ約千人、高等学校生徒の実習には延べ約四千人が来所しています。

 

四、教育相談事業

 

幼児、児童生徒の教育上の諸問題について、学校や保護者からの教育相談に応じ、その解決のためにカウンセリングや行動療法等の指導援助を行います。

前年度の来所相談は延べ人数で千百九十一名、電話相談での交信回数は九百九十二回でした。

・相談内容

(1)知能・学業 発達遅滞、学業不振等、

(2)性格・行動 不登校、集団不適応、多動、盗み、家出、性的問題、暴力的問題、かん黙等

(3)身体・神経 神経・心身症的等

(4)進路・適性 進路、就学等

(5)教育一般 生徒指導等

 

五、教育図書・教育資斜

 

(1)、教育図書・教育資料の収集・管理と各校への資料提供

日常の教育活動を支援するために、広く教育に関する専門書や研究紀要等を収集し、開架式で整理しています。

教育図書は、基本図書・参考図書を教育上の今日的課題を考慮して購入しています。寄贈図書と合わせると、二万二千冊を越えています。

教育資料は、全国の教育機関から、年間七百冊ほど寄贈されます。主なものは、データベースを構築し「教育資料件名目録」として紹介するとともにキーワード等による検索依頼に対して敏速かつ適切に対応しています。

他に寄贈誌も含めて、毎月六十種類ほどの月刊誌が入ります。これらの教育図書・資料は閲覧でき、資料等の相談も受けており、貸出しもいたします。

(2)、「所報ふくしま」の発行

年間四回発行し、本教育センターの研修・研究・相談・資料事業の内容、研修者の研究報告、県内教職員の研究実践報告等を紹介しています。

なお、九十七号は創立二十周年記念特集号として発行する予定です。

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。