教育福島0146号(1990年(H02)04月)-051page

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教育・イン・ザ・ワールド

国際化に対応した教育活動の紹介

ことばと心の交流に大活躍

−外国青年による語学指導−

本県の小・中・高等学校で英語指導助手(AET)が活動するようになって間もなく三年になります。

AETは、昭和六十二年度からスタートした「語学指導を行う外国青年招致事業」(文部省・外務省・自治省三省共同事業)によって招致された外国青年で、福島県には、昭和六十二年度に十九名、同六十三年度に三十七名、平成元年度には四十七名が招致され、外国語指導と国際理解教育に大きな成果を上げています。

以下は、AETの活躍を伝える、県立福島南高等学校からの報告です。

福島南高校には、昭和六十二年度以来、毎年一名のAETが配置され、授業のほか、英会話クラブや英語研究部も担当して、生徒の語学指導にあたっている。英会話クラブでは和やかな雰囲気の中で寸劇や自由討論を指導し、英語で表現しようとする積極的な態度を育てている。また、AETの来校後、部員が増えた英語研究部では毎日放課後、日英の風物や習慣の違いを英語で語り合ったり、中には、英文日記をAETと交換し合っている部員もいて、AETは書く力の向上にも寄与している。

上段・下段(左)「英語集中講座」で生徒たちと楽しいコミュニケーション

上段・下段(左)「英語集中講座」で生徒たちと楽しいコミュニケーション

上段・下段(左)「英語集中講座」で生徒たちと楽しいコミュニケーション

下段(右)「英会話」の授業風景

本校では毎年夏に、国際文化科の生徒を中心に「英語集中講座」を開催している。この講座ではAET等外国人講師のリードのもと、生徒たちは夏の一日を全て英語で過ごすのである。来日したばかりのAETにとって、これは日本での初仕事。残暑をものともせず牛徒とのコミュニケーションに汁を流すAETの姿を見ると、本当に頼もしい思いがする。

秋には、外国人を招いての国際交流会が開かれる。茶道・華道・百人一首などの日本文化の紹介と招待外国人との意見交換会が主な内容であるが、企画の際のアドバイスや当日のアシスタントぶりは実に見事である。

AETが目を輝かせるのは授業や特別活動のときだけではない。休み時間や放課後の生徒や教員との歓談は実に楽しそうに見える。そんなひとときも国際交流実践の場として、立派に機能しているのである。「他国の言葉を知ることは、他国の文化を知ることに通じます。それに、自国の言葉や文化をよりよく理解することにもなるのです。」というAETの言葉からは国際化時代に求められる教育の姿が感じとれ、そんな意欲に溢れる外国青年たちに指導を受けられる現在の高校生を幸せだと思わずにはおれない。

校舎のあちこちで英語が飛び交うようになった今、私たちはAETの活躍に心から拍手を送りたいと思っている。


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