教育福島0148号(1990年(H02)07月)-006page
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提言
音楽と家庭滞在を伴う国際交流
財団法人穴澤病院理事長会津音楽協会会長 穴澤養一
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音楽は、政治、家庭、言語や社会的環境がどんなに違っても、必ず聴く相手の心の中へ否応なしに食い込んでしまうことから最大の国際的な言葉と見なされている。これを国際交流のための手段として活用できれば、確かに大きな意義を持ってくる。
ポール・ハリスの創立した国際ロータリーは、最初は友愛と奉仕から始めても、最終の目標は世界から戦争を無くして平和を確立することである。また、アイゼンハワー元米大統領がPeaple To Peaple(P.T.P)なる国際友好団体を創立したのも、お互いの庶民的生活を開放し合い、相互の国情を理解することによって戦争が避けられるという理念からであった。この外にも、国連、ユネスコ、ライオンズクラブ等、世界平和を目標にしている組織や団体があるが、これらの何れもが国際的な家庭滞在を重視している。
私が、昭和四十五年以来今日までの間に日本から、アメリカ、欧州、香港、台湾等の外国に送った合唱団その他の音楽団体は総計二十六団体で、約千四百余名となったが、これらの団員のほとんどは英会話ができなかった。このように英会話には困った日本の音楽団体であったが、家庭滞在を主とする演奏旅行の中で正しく守ってくれたエチケットと音楽の素晴しさによって、短期的滞在にもかかわらず、十分に好評を得ることができた。
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