教育福島0148号(1990年(H02)07月)-031page

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1 研修体制の整備・充実

 

教職員一人一人の専門的力量を高める校内研修とするには、校内の研修体制を整備していくことが大切である。

(1) 校長、教頭、主任等がそれぞれの職責に応じたリーダーシップを発揮する。

(2) 教職員一人一人の役割分担を明確にし、全教職員による組織的な研修を推進する。

(3) 校内研修の組織と分掌組織との関連を図り、研修を進めやすい組織とする。

(4) 適切な者をリーダーにおくとともに教職員一人一人の特性を生かした組織とする。

 

2 研修内容の検討・改善

 

校内研修の内容は多様であるが、校内研修は、自校の課題の解決を図ることを原則とし、児童・生徒にかかわりながらの研修を、全教職員の参加により組織的に実践できるよう検討し改善していくことが大切である。

(1) 学校の課題を明確に把握し、課題解決を図るための研修内容で、教育実践に役立ち、日常の実践を通して解明できるものとする。

(2) 自校の児童生徒の生活、行動、能力の実態を把握して、自校の児童生徒に即し、具体的な教育実践につながる研究内容とする。

(3) 教職員一人一人の切実な課題を集約し、授業についての研究を中心とした研修の充実を図るようにする。

(4) 新学習指導要領の趣旨や理念の理解を深め、児童生徒が自ら考え、自ら学ぶ教育へと質的な改善を図る研修内容を取り入れていく。

 

3 研修評価の改善

 

3 研修評価の改善

 

校内研修を行った結果、教職員及び児童生徒にどのような変容と成果がみられたかを評価し、研修の充実に努めることが大切である。その際には次の点について検討し改善を図ることが大切である。

(1) 研究内容はどうであったか

○自校の教育目標の具現と当面の課題解決に役立つものであったか。

○児童、生徒の実態に結びついたものであったか。

○教職員一人一人の切実な課題を集約し、実践の見通しのあるものであったか。

(2) 研究組織と運営はどうであったか。

○他の組織との関連を図り、効果的に運営されたか。

○研究意欲を高めるための意識化や協働化を図る組織としての編成と運営がなされたか。

(3) 研究成果と今後の課題が明確にされ、研究の継続化が図られたか。

(4) 研究成果が日々の教育活動に生かされ児童生徒の望ましい変容となってあらわれているか。

 

4 研修時間の確保

 

校内研修を進めるに当たり、研修時間の確保が問題になることが多い。

次の点に留意して効果的な運営を図ることが大切である。

(1) 教育課程全体を見直し、研修時間を生み出し、年間計画の中に位置付ける。

(2) 月、週の行事計画の中に定例的に位置付けたり、時間割編成上から工夫したりして研修時間を確保する。

(3) 長期休業は長時間をかけて集中的に研修を進めるに都合がよいので、その計画的な活用を図る。

(4) 共同研修の運営の効率化を図る。

・事前に研修内容を周知させる。

・事前に問題点を集約し方向付けをしておく。

・記録の累積に努める。

(5) 職員会や学年会の最後に研修に関する時間を確保する他、インフォーマルな場での話し合いも大切にする。

 

十二、幼稚園教育の充実

 

1 幼稚園教育の現状

 

幼児期は、人間形成のうえで極めて重要な時期であることが認識され、幼稚園教育に対する社会の期待や関心も高まってきている。

しかし、幼稚園では何を指導するのかということについての見解は様々で、

○ただ遊ばせているだけで何も教えてくれない。

○いろいろな活動を幼児にさせているが、何を身に付けさせるために活動させているのかわからない。

○教師の意図があいまいだ。

などというような批判の声を聞くことが多い。このように、幼稚園教育の内容や方法に対しての理解はまだまだ十分でなく、幼稚園教育についての考え方も多様化の傾向が見られる。

また、幼稚園教育についての共通理解が必ずしも十分になされず、次のよ

 

 

 


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