教育福島0148号(1990年(H02)07月)-038page

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研究実践

平成元年度県公立幼稚園・小・中・養護学校

教職員研究論文入選論文の紹介

主体性を育て、個性を生かす学習指導

国語 (福田小学校)森みゆき

社会 (糖沢小学校)二階堂康男

レポート

 

文学的教材を生き生きと読み進める中で主体的な学習の仕方を身につけさせた授業実践

−低学年の授業を中心に−

新地町立福田小学校教諭 森みゆき

 

一、主題設定の理由

本校は、へき地小規模校であり、児童たちはたいへん刺激の少ない環境の中で生活している。そのため、生活経験が乏しく受け身的であり、主体的な学習ができないのが現状である。

現在の学校教育の課題の一つとして、社会の変化に主体的に対応できる能力や創造性の基礎を培うことがあげられている。このようなことから、本校の児童の実態を分析し、改善すべき点を浮き彫りにし、指導の手を加えていく必要がある。そこで、国語科がすべての教科の基礎になることや、本校の児童たちは文学的教材に高い関心を示していることを手掛りとして、主体的な学習ができるよう本主題を設定した。

 

二、研究仮説

生き生きと読み取り、主体的な学習ができるようにするためには、学習方法訓練を身に付けさせ、多様な方法で心情や情景、様子を正しくとらえ、話し合いの輪を広げ読み取りを深めれば、意欲的に文章に取り組み、深まりのある確かな力を身に付けることができるであろう。

そのためには

(一) 指導のねらいを明らかにし、いつどこで、どのように指導するか綿密な指導計画を作成する。

(二) 一時間の授業の到達基準を明確にするとともに小児童が主体的に学習できるような指導過程を組織する。

○ 課題提示の工夫。

○ 一人学習のさせ方の工夫。

○ 個に即した学習時間や学習量を配慮する。

 

具体物を操作することで児童の興味を高める

 

具体物を操作することで児童の興味を高める

 

(三) 指導の実際では、読み取りの効果が高まるよう、多様な指導方法を取り入れる。

○ 個に応じた発問と板書の工夫

○ 教育機器の活用の工夫

○ 個に応じ、生き生きと学習できるための手だての工夫

○ 評価の仕方を工夫し、指導と一体化が図れるようにする。

 

三、研究の概要

仮説を検証し、主題に迫るため、次のような研究を中心に授業実践を試みた。

(一) 指導計画の作成の仕方

(1) 教材の全体構造がわかるような文章の構造図を作成する。

(2) その単元のどこで何を教えるのか理解の指導内容の位置を明確にし、生き生きと読み取らせるための手だてや評価の内容・方法も丁目でわかるように指導計画を作成する。

(資料1)

(3) 指導計画に基づき、形成的評価を明確にし、指導と評価の一体化が図れるようにするとともに、児童が主体的に学習できるよう、一人学習や共同読みの仕方に配慮し、指導過程を作成する。

(二) 学習課題作り

○ 学習課題は、児童たちが、主体的にしかも意欲と見通しを持って学習に取り組めるよう作成することが重要である。そのためには、発達段階

 

 

 


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