教育福島0152号(1991年(H03)01月)-038page
平成2年 ふくしまの教育ハイライト
「第三次福島県長期総合教育計画第二期実施計画」の最終年度を迎える平成二年。この一年間、県教育委員会では、国際化、情報化等の社会の進展に対応した「心豊かなたくましい人間」の育成を目指す諸施策を推進してきました。
この間、県教育委員の人事に異動があり、大和郭二前委員長の任期満了に伴って鳴瀬寛閣氏が新委員長に選任され、また、昭和五十三年以来、三期十二年にわたって教育委員を務められた角田道子氏に代わり、小田潔子氏が就任して、新たな体制が整いました。
平成二年にあった様々な事柄の中から主なものを取り上げ、「ふくしま教育ハイライト」としてまとめてみました。
なお、選び出した十の項目については、特に順位は付けておりません。
渡邊、河野の両氏に県文化功労賞
〜平成2年度教育・文化関係表彰式挙行〜
本県の教育・文化に多大の貢献があった渡邊良雄氏「芸術部門」(福島市)、河野光子氏(科学部門)(会津若松市)の二人を文化功労者として表彰。十一月三日(文化の日)の表彰式では、この外に教育関係功労者三十三名十二団体、永年勤続表彰者五百三十四名が晴れの表彰を受けた。
佐藤知事から栄誉ある文化功労賞を受ける河野氏
登校拒否対策会議を開設
〜登校拒否問題への対応策を探る〜
平成二年度の新規事業として「登校拒否対策会議」を開設。年々増加し、その指導が難しくなる現状から、登校拒否についての理解を深め、その対応策等を協議する本会議は、専門家会議と教職員会議とを重ねて、結果を指導資料にまとめることにしており、その成果が期待されている。
情報処理教育、ハード・ソフト共に充実
〜教育センター情報棟完成・地域研修スタート〜
情報化対応教育の改善充実を積極的に推進している本県では、この一年間に、学校の関係設備を充実させるとともに、県教育センターにパソコン八十二台を擁する研修室等を備える情報棟を増築。さらに、教員の指導力向上を図るために、教育センターにおける研修に加え、新たに「情報処理教育地域研修」を小・中学校関係七地区、高校関係二地区で実施。これらによって情報化対応教育は一段と充実の度を増した。
完成した教育センター情報棟で研修する先生方
ハイテック・プロジェクトで指導力アップ
〜高等学校職業科教員を大学・企業等へ派遣〜
平成二年度から、高等学校職業科の教員を三か月から一年間、大学や研究機関、企業等に派遣し、エレクトロニクス、バイオテクノロジー、新素材等の先端技術を学ばせる「高等学校教員先端技術研修」(ハイテック・プロジェクト)を実施。今年度は十二名を派遣。社会の進展に対応した実践的指導力を修得させ高等学校教育の一層の充実を目指す本事業の成果が大いに期待されている。