教育福島0152号(1991年(H03)01月)-051page

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教育・イン・ザ・ワールド

−250名の町民を海外に派遣−

国際化にふさわしい教育の話題をシリーズで紹介する「教育・イン・ザ・ワールド」。

今回は、ふるさと創生事業の一環として「二十一世紀の翼」海外派遣事業を実施し、町づくりを推進している大熊町からのレポートを紹介します。

国際交流事業「二十一世紀の翼」による町づくり−大熊町−

二十一世紀は情報化、国際化、高齢化、技術革新の時代と言われています。とりわけ、国際化時代に対応できる広い視野と国際感覚を磨くとともに、国際交流を通して生活、文化に対する相互理解を深めることも肝要です。我が国は第二次世界大戦の敗戦国のショクから立ち上がるべく奮起し、経済復興に全力を傾注してきましたが、その反面、心の豊かさを失いかけ、日本民族特有の思いやり、いたわり、やさしさと言った心のぬくもりが欠如しているように思います。

大熊町では、このような国内外の情勢を的確に把握するとともに、時代を先取りした、画期的な行政施策が必要であると考えました。折からの「ふるさと創生事業」を通し、二十一世紀の大熊町の姿はこうあるべき、という確かなテーマとビジョンを定めることが第一であるとし、「温もりと安らぎと潤いのある町づくり」をテーマとして掲げ、町民が夢とロマンを求めることの出来る、そしてこの町に住んで良かった、生まれて良かったと子孫が誇りに思い心から歓迎されるふるさとづくりを推進しようと考えました。町づくりは人づくりからとの理念に基づき、ふるさと創生事業の一環として「二十一世紀の翼」海外派遣事業を平成元年度に実施したのです。町民各層(小学生から大人まで)二百五十名をオーストラリアに派遣し、そのうち百九十名が友好都市であるバサースト市においてホームスティを体験し、生活、文化、スポーツ等の交流を深めてきました。

「継続は力なり」という、言葉がありますが、毎年継続することに大きな意義があります。二十一世紀までの十一年間は継続し、町民の方々を一人でも多く派遣したいと考えています。また、バサースト市との友好都市の関係を踏まえて、平成三年一月から英語指導の教師を招聘、さらには留学生の交換、専門研修交換などを積極的に進めてまいります。

自分の生まれ育った地域を誇りに思い、常に夢と希望を持ち、そして自分たちの町を良くしたいという熱意に燃える人、そうした心の温もりのある共通の目的の仲間をたくさん育て上げることが大切だと思います。大熊町はこの「二十一世紀の翼」事業を契機として国際交流を推進し、心豊かな人づくりに努めてまいりたいと考えています。十一年後の二十一世紀には、この事業を通して蒔かれた種が豊かな実を見事に結ぶことを大いに期待しているところです。

友好都市の契りの固い握手をかわす両首長

友好都市の契りの固い握手をかわす両首長

熱烈な歓迎を受けて(於歓迎レセプション会場)

ホームステイの家族からブーメランのプレゼントを受け、感激する小学生

ホームステイの家族からブーメランのプレゼントを受け、感激する小学生


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