教育福島0153号(1991年(H03)02月)-018page
算数
基礎的な知識、技能を身に付けさせ、数学的な考え方の育成を図るとともに、主体的な学習に取り組むことができるよう次の点に努力する。
一、各領域の関連を考慮し、児童の実態に即した指導計画に改善する
(一) 移行措置により省略又は付加する内容を明確にした指導計画に改善する。
(二) 諸検査や授業観察等により児童の実態を的確に把握し、指導の反省を生かした適切な計画に改善する。
(三) 基本的な概念や原理・法則の理解と技能の習熟に重点を置くようにする。
二、教材の精選と指導の重点化を図り主体的に学習に取り組ませるための授業の展開を工夫する
(一) 学年や各領域における系統性や発展性を踏まえた教材の精選や指導内容の重点化に努め、ゆとりをもって授業が展開できるようにする。
(二) 児童が自主的、自発的に学習できるようにするため、体験的な活動を重視した授業の展開に努める。
○ 低学年では、具体的な生活体験や操作などの活動を通して基礎的な内容の徹底を図り、数量や図形に親しみをもたせる。
○ 中学年では、原理・法則等への関心を高め、見通しをもち、筋道を立てて考えられるようにする。
○ 高学年では、学習した事項をまとめたり、見方を変えたりするなど問題解決能力を一層伸ばすようにする。
三、基礎的な知識や技能の習得と数学的な考え方の育成に努める
(一) 基礎的・基本的な内容については、児童一人一人の学習過程を大切にし、繰り返し指導し、確実に身に付けさせる。
(二) 既有の経験や知識、技能を新しい問題解決の場面に関連付けて活用し、発展的な学習が展開できるようにする。
(三) 論理的な思考力や直観力を育成するため、指導過程に有効適切な場を設定し、継続的、発展的に指導するように努める。
四、学習意欲を高め、学習活動が一層効果的に展開できるよう指導法の改善に努める
(一) 児童一人一人に学習のねらいを明確にとらえさせ、個々の考えを十分生かす指導法を工夫する。
(二) 思考の過程を大切にし、児童が自力で問題を解決する喜びを味わうことができるように努める。
(三) 学習形態を工夫するとともに、効果的な資料の提示や、教育機器の活用により、多様な授業が展開するよう努める。
○ OHPや自作教具等の活用により児童に興味・関心をもたせる。
○発達段階に即して電卓、コンピュータ等を活用し、授業に変化をもたせながら理解を深める。
(四) 児童一人一人を生かす評価の在り方を工夫し、個々の児童の学習の成果の診断や治療に当たる。
○ 個々の児童の誤答やつまずきをチェックし、フィードバックを適切に行う。
○ 授業の目標分析を行い、形成的評価を有効に位置付け、授業の改善に努める。
理科
観察・実験などの直接経験を通して自然事象についての理解と科学的な見方・考え方を育成するために、次の点に努力する。
一、直接経験を重視し、地域の自然環境を生かした観察・実験、飼育、栽培などを年間指導計画に適切に位置付ける
(一) 基礎的・基本的事項を系統的にとらえ、児童、学校及び地域の実態に応じて学習内容の重点化と教材の精選を図り、ゆとりある充実した学習活動ができるようにする。
(二) 移行措置により、省略又は付加する内容を明確にし、教科書との関連及び学校の実態に応じて指導計画を作成する。
(三) 低学年においては、生活科の趣旨を生かし、理科及び社会について合科的な指導を一層推進するよう努める。
(四) 観察・実験の基本操作を習得させるとともに、安全に留意し、事故防止に万全を期する。
二、多様な学習方法や学習形態を工夫し、問題解決能力の育成に努める
(一) 自ら問題を見いだし、意欲的に解決に取り組むための動機付けの工夫をする。
(二) 問題の発見から結論に至る一連の探究活動を主体的に体験させ、問題解決的な学習が展開できるようにする。
(三) 学習のねらいや内容及び児童の経験や能力等の個人差を考慮し、学習方法、形態、教材の多様化を工夫する。
三、自然事象についての規則性をとらえ、科学的な見方・考え方の育成に努める
(一) 観察や実験を行うことを通して、自然についての原理や法則を理解する過程を大切にする。
(二) 科学的な見方・考え方を養う場を意図的、計画的に設定する。