教育福島0153号(1991年(H03)02月)-034page
自主的・自律的生活の推進を図る。
四 家庭及び中学校との連携を密にし、地域ぐるみの生徒指導の推進を図る
(一) 家庭に対しては、学校の教育目標や指導方針について理解と協力を得るとともに、家庭教育の充実を図るための啓発に努める。
(二) 中・高連携の組織や方法に改善を加え、相互の信頼関係に基づく中・高一貫の生活指導の推進を図る。
(三) 地域の関係諸機関・諸団体との連携を密にし、地域におけるすべての学校のあらゆる生徒を対象とした指導体制の整備に努める。
(四) 地域ぐるみの補導活動や研修活動の充実を図るとともに、環境浄化活動や生徒の社会参加活動の推進にも努める。
養護教育
心身に障害のある児童生徒に対して適切な教育の場と機会とを確保し、可能な限り社会参加・自立を推進するため、重点施策として「社会参加をめざす養護教育の推進」を設定した。この実現のため、適正就学を推進するとともに、児童生徒の障害の状態及び発達段階等に応じた適切な教育を一層進めて、基礎学力等生涯にわたる人間形成の基盤が培われるよう七つの項目を柱とした指導の重点を設定した。
一 教育課程の改善・充実
1 教育課程及び指導一般
(1) 教育課程は、新学習指導要領の趣旨、自校の教育目標を踏まえ、小・中・高一貫した教育方針を明確に設定し、児童生徒一人一人の障害の状態及び発達段階等に応じた編成に努める。
(2) 指導計画は、児童生徒の心身の障害の多様化に対応した教育の一層の充実を図るため、指導内容を精選し指導形態及び指導方法等を工夫して適切に計画する。
(3) 指導に当たっては、児童生徒の自主的、自発的な学習活動を重視するとともに、基礎的・基本的事項を確実に習得させ、児童生徒の個性の伸長を図るよう適切な指導に努める。
(4) 評価に当たっては、評価の対象、観点及び評価の手立てを明確にし、指導と評価の一体化を図り、教育課程の改善・充実に努める。
2 道徳教育
(1) 道徳教育を進めるに当たっては、学校・家庭・施設が共通理解のもとに具体的目標を設定し、連携を密にして児童生徒の内面に根ざした道徳性の育成が図られるよう努める。
(2) 指導計画は、道徳教育の目標や内容を明確にし、児童生徒の障害の状態及び発達段階等に応じた重点的な指導が展開できるよう全体計画や年間指導計画の作成に努める。
(3) 「道徳の時間」の指導計画は、各教科、特別活動及び養護・訓練との関連を図りながら、計画的、発展的な指導によってぉこれを補充、深化統合し、道徳的実践力の育成が図られるよう作成する。
(4) 「道徳の時間」においては、ねらいに合った深まりのある学習を展開するようにするため、適切な教材開発や発問の工夫等により指導の充実を図る。
3 特別活動
(1) 指導計画は、少人数から生じる種々の制約に配慮し、各学校の創意を生かし、児童生徒の自主的な活動が展開されるよう作成する。
(2) 学校行事計画は、児童生徒の障害の状態及び発達段階並びに施設等の実情を考慮して行事を精選し、児童生徒の負担過重にならないよう作成する。
(3) 学校給食の指導に当たっては、楽しい食事の中で、基本的生活習慣の形成を図る工夫を計画的、継続的に行う。
4 養護・訓練
(1) 指導計画は、児童生徒の障害の状態及び発達段階、経験の程度等に応じた指導の目標を明確にし、それぞれに必要とする項目を選択し、それらを相互に関連付けて具体的な個別計画になるよチ作成する。
(2) 養護・訓練の指導においては、専門医及び養護・訓練に関する専門的な知識や技能を有する教師との連携を図り、全教職員の協力体制のもとに、適切な指導が行われるように努める。
(3) 「養護・訓練の時間」の指導に当たっては、児童生徒が興味をもって意欲的に取り組み、成就感を味わうことができるよう指導方法を工夫する。
二 重度・重複傷害教育内容の充実
1 指導計画は、自主的、自発的に環境とのかかわりをもつ力を育成することを目的として作成し、日常生活の基本動作の習得が図られるよう計画する。
2 訪問教育は、保護者との連携を密にして、学習活動が家庭や地域社会と遊離しないよう工夫する。