教育福島0153号(1991年(H03)02月)-038page
研究実践
勤労生産学習をとおして土に親しみ、共に働く喜びをもつ子どもの育成
文部省研究指定校(63・元年度)
只見町立明和小学校
一、主題設定の理由
本校は海抜四百五十五メートルの、険しい山並みが間近に迫る県内有数の豪雪地帯にある。農業中心の生活が営まれていたが、近年は、保護者の職業が多様化し、兼業農家や共働きの家庭が増加する傾向にある。
畑や花壇を所有している家庭は九十パーセントを越えており、児童は農作物や農作業を見る機会は多いが、自ら額に汗して働いたり、育てたりする経験は少ない。また、児童は明るく素直であり、頼まれた仕事はやるが、自ら仕事を見つけみんなで協力してやろうという意識には乏しい面が見られる。
そこで、児童が農作物の栽培について、その計画から収穫までの一連の作業を行うことによって、自然を愛する心情を培い、勤労の尊さや喜びを体得させるとともに、責任感・協調性を養い、成就感を味わわせるなど、この生産活動を通して、本校の教育目標である「よく学習する子ども」「思いやりのある子ども」「たくましい子ども」の知・徳・体の調和のとれた人間性豊かな児童を育成することができるものと考え、標記の主題を設定した。
研究全体構想図
二、研究の目標
本校では、今までの栽培活動をもとにし、児童一人一人が汗を流し、協力しながら「勤労の尊さ」「勤労の厳しさ」「勤労の喜び」などを味わい、自己実現に向かって「楽しい」学校生活を送れることを目指し、次の点を明らかにしようとした。
(一) 児童一人一人が、自然を見つめ、協力しながら生産し、自己実現を目指す勤労生産学習を教育課程の中にどう位置付けたらよいかを明らかにする。
(二) 勤労生産学習における栽培方法や児童が積極的に活動する指導法は、どうあればよいかを明らかにする。
(三) 生産物の利用の仕方や地域社会との連携のあり方を明らかにする。
(四) 冬期間、特に積雪期の活動のあり方を明らかにする。
三、研究内容・方法
(一) 勤労生産学習全体計画の立案
1 教育課程との関連
2 活動計画の年間計画への位置付け
3 学年別勤労生産学習の年間計画
(二) 勤労生産学習の効果的な指導法
1 活動目的の明確化と把握のさせ方
2 活動時間の確保