教育福島0154号(1991年(H03)04月)-019page
望ましい食事環境の在り方
1 食事の多様化に対応して
(1) 食事の場の多様化
○授業の場である教室での食事から、食堂・ランチルーム等、食事のためのスペースを整備する。
○多目的スペース、和室・屋外環境等も食事の場として積極的に活用する。
(2) 食事メンバーの多様化
○従来の学級中心の会食だけでなく、学年あるいは学校全体での会食や、異学級、異学年との交流・グループ会食等ができるようにする。
〇地域との交流を図るため、招待会食や交流会食等を実施するよう配慮する。
(3) 食事内容の多様化
○国際化する社会の中で、適切な食事マナーや食文化、食事の意義などを体得できるよう配慮する。
○健康や栄養に配慮した食事内容であることを児童生徒に考えさせる。
○郷土食、行事食等を積極的に取り入れ、食事に変化を持たせる。
2 豊かな食事環境として
(1) 食事の場にふさわしい家具・インテリアの工夫
椅子や、テーブル、カーテン、照明器具等に配慮すること。
(2) 食器具の整備
正しいマナーを身に付けるために、また、児童生徒の発達段階に応じた種類、大きさ、献立内容に応じた、食器具の整備を図ること。
明るい食堂で全校給食
黒板カーテンで雰囲気を変えて
屋外での弁当給食
六 おわりに
「食べる」ということは、生きていくための最も基本的な活動のひとつですが、より合理的に栄養を摂取するためには、どのようにしたらよいかという知識は、これからの時代を生きる現代人の生命維持の基本的能力として一人ひとりが確実に身に付けておく必要があります。
しかし、今日の食生活の実態は飽食の時代ともあいまって、逆に健康を害する要因にさえなっています。
児童生徒の将来における健康を考えるとき、学校教育での食生活に関する指導は、極めて重要な意味を持っています。
学校給食を、ただ単にバランスのとれた栄養食の提供に終わらせることなく、人生八十年時代を生涯にわたって元気で生きられるよう、自己管理能力を育てる健康教育の一環として正しく位置付け、二十一世紀を担う児童生徒が心身ともに健全に育っていくために、学校給食がますます充実発展することを願ってやみません。