教育福島0154号(1991年(H03)04月)-018page
1 給食時における給食指導
(1) 給食指導のねらい
給食時における給食指導のねらいは、各学校の実態に応じて各学校ごとに決めることになりますが、基本的な点は次のとおりです。
〈小学校〉
1) 食べ物の正しい知識を身に付け、好き嫌いをしないで食べることができる。
2) みんなで協力して、食事の場にふさわしい環境を整えることができる。
3) 食事のマナーを身に付け、みんなで楽しく食事ができる。
4) 衛生・安全に気をつけ、協力して食事の準備ができる。
5) 食事をすることの喜びと、人々に対する感謝の気持ちを持つことができる。
〈中学校〉
1) 話題を工夫するなど、会食の正しいマナーを身に付けることができる。
2) 健康の保持・増進を考え、栄養のバランスを配慮して食事ができる。
3) 当番や係の組織づくりを工夫して、生き生きとした給食活動ができる。
(2) 給食指導の留意点
1) 食事にふさわしい環境づくりに努めること。
2) 栄養指導については、その日の食事内容に即して行うこと。
3) 安全・衛生に留意すること。
4) 個に応じた無理のない指導をすること。
5) 児童生徒の自主的な活動を大切にした指導に努めること。
2 学級活動の時間における給食指導
学校給食は、学級活動として位置付けられているため、指導計画を作成し、指導を行うことになります。指導計画を作成する際には次の点に留意し、全教職員が共通理解の上に立って指導に当たることが必要です。
(1) 児童生徒の発達段階に即すること。
(2) 自主的な活動を促す計画であること。
(3) 学校や地域の実態に応じて内容の重点化を図ること。
(4) 全校の教師により、指導計画を作成すること。
(5) 生徒指導との関連を図ること。
3 その他の教育活動の時間における給食指導
(1) 学校行事における給食指導
○健康安全・体育的行事
(2) 児童会・生徒会活動における給食指導
○学校給食委員会
(3) 他の教科との関連を図った給食指導
○生活科、家庭科、体育科
○技術・家庭科、保健体育科
(4) 随時に行う給食指導
○朝の会、帰りの会、集会の場
4 給食指導における個別指導
健康相談の一環として、個別に「栄養相談」を行うことも必要です。
(1) 指導の方法としては、アレルギー、肥満児等の児童生徒に対しては実態に即した個別指導を行うこと。
(2) 教師等が食事のグループに入って、食事を共にしながら一人ひとりを観察し、指導すること。
5 学校給食を実施していない学校における給食指導
(1) 教師が食事のグループに入って指導したり、学級活動において指導したりすることが必要であること。
(2) 持参する弁当がバランスのとれたものとなるよう家庭との連携を図ること。
(3) 他の教科と関連させて給食指導を行うこと。
五 学校給食における食事環境の整備
学校給食においては、食事内容の充実に比し、いわゆる食事環境の部分、つまり食堂や食器具の整備が立ち遅れています。
食事環境の整備は、望ましい食習慣の形成に資するのみならず、食事の場を潤いのある豊かな生活体験の場とすることにもつながるものであり、学校給食が今後とも学校教育の一環として充実発展していくために不可欠の課題となっています。
このため、日本体育・学校健康センターにおいては、「望ましい食事環境づくり研究委員会」を設置し食堂・ランチルーム・食器具等の整備をはじめとする食事環境の問題を総合的な観点から検討しています。以下、平成二年三月に報告された内容の一部を挙げてみます。