教育福島0154号(1991年(H03)04月)-028page
四月に着任したときは、新採用の時のように緊張や不安を感じながらも大きな期待で胸を膨らませたものである。入学式で久し振りに母校の校歌を歌ったとき、「帰って来たんだな。」と感じた。一年二組担任。私が入学したときも一年二組であった。ところが、前任校での二年間、続けて三学年を担任してきた私にとって久し振りの一学年担任であり、とまどいの連続であった。もちろん、授業は全学年を担当したが、担任として一学年の学級経営に携わるとき、改めて中学三年間の子どもの成長に驚かされ、発達段階に合わせた指導の大切さを痛感させられた。
話は変わるが、私の父はかれこれ三十年以上、須賀川市でタクシーの運転手をしている。ある日、父が私に向かって、「この前乗ったお客さんが、学校の話をしてて、一中の先生たちの指導を誉めてたぞ。嬉しかったからタクシー代少しおまけしたんだ。」という話をした。父のタクシーに乗った保護者は、我が子が通う学校に期待し、常に子どもの成長を楽しみにしている。そして、同じように私の父も我が子の成長を喜んでくれている。親が子を思う気持ちの深さを改めて知らされ、それらに応えるべく、子どもと親に希望と充実感を持たせるような学級経営、授業の実践に努めようと心を新たにした。
ところで、私が所属する学年では、生徒に毎日家庭学習ノートを提出させている。多忙な中ではあるが、子どもたちの努力の足跡を見る楽しみもあり、一人一人に感想などを書いている。
ある日、一人の男子生徒がノートを持って来るのを忘れた。「先生、今日、先生の家に持っていくから待ってて……。」「やってあるなら明日でもいいぞ。」
私は、このようなやりとりを忘れてしまっていた。帰宅して間もなくのことである。学習塾の帰りだと言って、ノートを持って来た。「先生、今日の分の感想書いて。」
子どもが教師の言葉を励みに頑張っている姿を目の当たりにし、これからの自分の在り方を教えられた思いがした。
(須賀川市立第一中学校教諭)
国際理解・国際交流論文募集
−朝河貫一賞−
◇県教育委員会では、平成三年度より、国際化に対応した人材育成を目指し、国際化への関心と意識の高揚を図るため、論文を募集します。
○応募資格 県内の中学校・高等学校の生徒
○テーマ
・国際社会における日本の役割
・国際社会における日本人の生き方
・国際社会における国際交流の在り方
・その他
○応募期間 九月十日(火)〜九月二十日(金)
○応募方法 四百字詰原稿用紙五〜十枚程度にまとめ、教育庁総務課に提出する。
〇賞 優秀論文を表彰し、アメリカ大使館・オーストラリア大使館等を訪問し体験学習を行う。
※詳しくは、各校に配付の募集要項をご覧ください。
科学研究論文募集
--野口英世賞--
◇県教育委員会は、医学を通して人々のために尽くした野口英世博士を誇りとし、博士の名を冠した賞を設けました。
今回、本県の中学生、高校生を対象に、人類の生存と福祉に貢献し得る科学技術の在り方や、自然科学に関する研究論文を募集します。
○応募条件
・未発表の論文であること
・四百字諸原稿用紙十枚程度(資料を添付してもよい)
・応募点数は一点
○応募期間
平成三年九月九日〜九月十七日
○提出先
・中学生は学校へ提出し、各教育事務所長を経由し県教育庁義務教育課へ送付
・高校生は、県教育庁高等学校教育課へ郵送
※詳しくは、各校へ配付する応募要項をご覧ください。
○連絡先
・県教育庁義務教育課
TEL○二四五-二一-一一一一(内線三九四六)
・県教育庁高等学校教育課
TEL○二四五-二一-一一一一(内線三九三五〜六)