教育福島0155号(1991年(H03)06月)-046page
教育事務所だより
県北教育事務所
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本年度、県北教育事務所管内には、文部省及び県教育委員会から研究指定を受け研究に取り組んでいる学校が七校あります。今回はその中から一部の学校の研究活動概要と、特色ある学校教育活動及び社会教育活動の一端を紹介します。
自然に学び意欲的に取り組む生徒の育成をめざして
−東和町立東和中学校−
平成二、三年度の二年間にわたる文部省の「勤労生産学習推進校」の指定を受け、今年度はその第二年次の研究に取り組んでいます。
生徒のほとんどは、農家に育ちながら農作業を手伝うことが少なく、家事の手伝いすらやらない生徒もいるほどです。これらは、農業経営の近代化・多様化、更に家庭生活の合理化などによる「豊かさ」が作り出した落とし穴なのかも知れません。
そこで、この解決のために、土に親しみ草花や作物を育て、更に奉仕的な活動を通して失われつつある「生きる力」の回復を目ざして勤労生産学習の研究に、生徒教職員はおろか、PTA・農業指導者等、全町をあげて取り組んでいます。
特に、研究の基本的な態度として次のようなことを重点としています。
(一)、自然に親しみ、作る喜び・育てる喜びを感得させる。
(二)、働くことの尊さを味わわせる。
(三)、集団への寄与・協力的態度を育てる。
(四)、奉仕の精神を高揚する。
(五)、情緒の安定と環境美化への意識を高める。
(六)、人間としての生き方を学ばせる。
(七)、学習意欲を高める。
(八)、係活動への積極的な参加を促す。
(九)、地域や家庭との連携を強化する。
以上の理念の達成に努力しています。
−自らの手で(植木鉢作り)−
心も体も健康に
−福島市立月輪小学校−
本校は、福島市の東に位置する児童数百四十五名の小規模校である。
給食の終わった教室には、音楽に合わせて歯を磨く児童の姿を見ることができる。これは、本校がこれまで十余年にわたって継続実践している「よい歯の学校」を目指した活動の一環である。
「学校でも、家庭でも」を合言葉に、歯科医のアドバイスを得ながら、歯の磨き方指導、そして、虫歯になりにくいおやつのとり方を、家庭と手を携えて実践しているところである。
本校のもう一つの特色は、地域や他校との交流活動である。
年二回の親と子とお年寄りとの三世代交流ゲートボールは、楽しい心の触れ合いの場となっている。また、宿泊を伴う他地域校との交流では、田村郡都路村の古道小学校四年生と相互に訪問し合い、その地域の理解と友情を深めてきている。
これらの活動は、学校と家庭、地域社会の三者が力を合わせ、連携することによって成し得ることである。
小さな学校の小さな試みが、健康な心と体の子どもを育てようとして