教育福島0156号(1991年(H03)07月)-004page
文化の窓
県立美術館企画展案内
ベン・シャーン展
会期8月17日(土)〜9月16日(月)会場県立美術館
今世紀のアメリカを代表する画家の一人であるベン・シャーンは、日本をたいへん愛し、また第5福龍丸事件を主題にした連作を描いたことによっても、私たち日本人にとって親しみのある画家です。
ソ連邦のリトアニアに生まれ、幼い頃アメリカに移住したシャーンは、少年時代から石版画工房で働きながら夜間学校に通い、また絵画や版画の技術を学びました。彼の画家としての眼は、社会とそこに生きる人間に向けられています。そしてその芸術は、社会の現実に対する認識や人間という存在に関する思想がこめられており、私たちに語りかけてくる絵画と言うことができるでしょう。
ベン・シャーンの芸術は、絵画や版画だけでなく、写真、ポスターや本の装丁、壁画やステンドグラスの制作など、さまざまな分野にわたっています。それは、彼の旺盛な制作活動を証明するとともに、芸術の聖域に閉じこもるのではなく、常に人々とともにあり、人々のための画家でありたいと願った彼の意志の表れでもあります。
この展覧会では、アメリカ各地の美術館や所蔵家から出品された彼の代表的な作品一六〇点を展示し、その幅広い活動の全体を見ることができるように構成されています。
観覧料
一般・大学生820(660)円
高校生610(460)円
小・中学生410(300)円
※( )内は20名以上の団体料金
夜間開館のお知らせ
会期中、毎週土曜日は午後8時までご覧いただけます。(入館は午後7時30分までです。)
「失業者」1931年
「四人の検事」(サッコとヴァンゼッティ事件)1932年
「美しきものすべて」1965年