教育福島0156号(1991年(H03)07月)-022page

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十一 教職員研修の充実

 

新しい学習指導要領が告示され、今後の学校教育においては、新しい教育に向けての教職員の意識の変革や資質の向上が大切であり、そのために校内研修の一層の充実が求められている。

 

1 研修体制の整備・充実

 

教職員一人一人の指導力を高めていくためには、校内研修の体制を整備・充実していくことが大切である。

(1) 校長、教頭、主任等がそれぞれの職責に応じてリーダーシップを発揮すること

(2) 教職員一人一人の役割分担を明確にし、全教職員による組織的な研修を推進すること

(3) 校務分掌との関連を図りながら校内研修の組織を整備すること

(4) 適切なリーダーを配置し、教職員の一人一人の特性を生かすような組織を工夫すること

 

2 研修内容の検討・改善

 

教育目標や重点目標を受けて、校内研修は、自校の課題の解決を図ることを原則とする。児童・生徒にかかわりながらの研修を、全教職員の参加により組織的に実践できるよう改善していくことが大切である。

(1) 学校課題を明確にして、その課題解決を図るための研修内容とし、日常の実践を通して解明できるものとすること

(2) 児童生徒の実態に即し、教職員の切実な課題意識を基にして、授業についての研究を中心にすること

(3) 新学習指導要領の趣旨についての理解を深め、児童生徒が自ら学ぶ教育へと質的な改善を図る研修内容を取り入れていくこと

 

3 研修評価の改善

 

校内研修を行った結果、児童生徒及び教職員にどのような変容がみられたかを評価することが大切である。その際には、次の点に配慮する。

(1) 研究内容はどうであったか

○ 自校の教育目標の具現と当面の課題解決に役立つものであったか

○ 児童生徒の実態に結びついたものであったか

○教職員一人一人の切実な課題を集約し、実践の見通しのあるものであったか

(2) 組織と運営はどうであったか

○他の組織との関連を図り、効果的に運営されたか

○研究意欲を高めるための意識化や協働化を図る組織として運営がなされたか

(3) 研究の成果と今後の課題が明確にされ、継続化が図られたか

(4) 研究成果が、児童生徒の望ましい変容となってあらわれ、毎日の教育活動に生かされているか

 

4 研修時間の確保

 

校内研修を進めるに当たり、研修時間を次の点に留意して確保することが大切である。

(1) 研修時間を生み出すために教育課程全体を見直し、年間教育計画の中に位置付けること

(2) 月、週の行事計画の中に定例的に位置付けたり、時間割編成上から工夫したりすること

(3) 長期休業中は、集中的に研修を進めやすいので、その計画的な活用を図ること

(4) 共同研修の運営の効率化を図ること

○事前に研修内容を周知させる

○事前に問題点を集約し、方向付けをしておく

○記録の累積に努める

(5) 職員会や学年会にも研修の時間を確保するように工夫したり、インフォーマルな場での話し合いも大切にすること

 

十二 幼稚園教育の充実

 

1 幼稚園教育の現状

 

幼児期は、人間形成のうえで極めて重要な時期であることが認識され、幼稚園教育に対する社会の期待や関心も高まってきている。

しかし、幼稚園では何を指導するのかということについての見解は様々で、

○ただ遊ばせているだけで何も教えてくれない

○いろいろな活動を幼児にさせているが、何を身に付けさせるために活動させているのかわからない

○教師の意図があいまいだ

などというような批判の声を聞くことが多い。このように、幼稚園教育の内容や方法に対しての理解はまだまだ十分でなく、幼稚園教育についての考え方も多様化の傾向が見られる。

また、幼稚園教育についての共通理解が必ずしも十分になされず、次のような状況も見られる。

○昔からのイメージのままの保育をしている

○幼稚園は学校なのだからしっかり教えなくては、と考えている

○幼稚園の特質は遊びであるからとまるで放任の形をとっている

 

 

 


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