教育福島0157号(1991年(H03)09月)-051page

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教育・イン・ザ・ワールド

国際理解教育の実践

国際化にふさわしい教育の話題をシリーズで紹介する「教育・イン・ザ・ワールド」。

今回は、郡山市教育委員会からのAETの活動を中心とした国際理解教育の紹介です。

国際社会の中で、主体的に生きる日本人を育成するためには、これからの学校教育において、諸外国の人々の生活や文化を理解し尊重するとともに、我が国の文化と伝統を大切にする態度の育成を重視していく必要がある。

幸い郡山市は、昭和六十二年八月からAETを招聘し、市内二十六中学校で英語指導にあたってもらっている。AETはその他小学校、家庭教育学級等にも出かけ、国際理解教育に大きな役制を果たしている。

一、小学校における国際理解教育

AETのトヨダさんとバーナミィさんは、要請を受けて小学校を訪問する。手づくりのレイのプレゼントを受けて、自己紹介をしたあと、英語の挨拶のしかた、数え方を教えたり、一緒に歌をうたったり、言葉遊びやゲームをする。はじめはぎこちなくしていた子ども達もすぐに慣れて、いろいろと質問してくる。AETの話に目を丸くし、自分達との生活の違いにひどく驚く。

しばらくのふれあいで、小学生達はAETとすっかり仲良くなり、帰りの別れを惜しみ互いに胸をあつくするのである。

二、中学校における国際理解教育トヨダさんとバーナミィさんは、市内二十六中学校をワンシヨット方式で訪問している。彼らは訪問した教室で、地図やスライド、写真などを使って、自分達の出身地や家族の紹介、アメリカの国情、学校生活また、さらには日本文化との違いについて語り、様々な習慣の対比などについても話してくれる。それは子ども達にとって、異文化を理解するいい機会となり、彼らの果たす役割は大きい。

生徒達は、AETとの交流をとおし、また彼らの熱心な指導を受けて、「世界の中の日本人」として必須なコミュニケーションアビリティを身につけつつあるが、これも国際理解の上で大切なことであり、大きな成果となっている。

三、社会教育における国際理解教育二人のAETは、来郡二年目、三年目になるので、日本語がとても上手になってきた。そこで、家庭教育学級や研究会に、講師として招請されるようになった。日米の子どものしっけや教育、生活のしかた、考え方の相違等について、講演をしたり質問に答えたりする。大人にとっても、外国の人から直接に話を聞くということはあまりなかっただけに、大きな国際理解のひとつとなっている。

このように、二人のAETの交流によって、郡山市の小・中学生も大人も、グローバルな日本人を目指して、学習を続けているのである。

AETの小学校訪問

AETの小学校訪問

中学校でのAETとの交流

中学校でのAETとの交流

中学校でのAETによる授業

中学校でのAETによる授業


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