教育福島0158号(1991年(H03)10月)-030page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

近くで手つきもあざやかに、ねらった場所に糸を落とし二〜三回この動作を繰り返していた。ピッと小きざみに釣竿を動かし、「そうらかかった」と言って小ぶりながらも、みごとなヤマメを釣りあげたのである。

次のポイントに移るのに川を横切らなければならない。浅瀬を探して渡るのであるが、一昨日の雨のため水量が多く、腰近くまでの深さのところを渡らなければならない。彼は勇敢に腰までの深さのところを巧みに渡り切り、私に渡ることを促したのである。

川底の石を足先で丹念に探り、足場を確認しながら、おそるおそる入って行った。急な流れは、踏み出した足の下からいきおいよくすくい上げる。どうしても体を支えることができない。足がふっと浮いてしまうのである。進む方向を上流へまたは下流へと変え、試行錯誤をしながら歩いてみた。下流へ足を出すよりは上流へ向けて出す方が川底をしっかりとらえることができるようである。

この日の渓流釣の結果、私はとうとう一匹の魚も釣ることができなかった。しかし、初めて急流を渡った貴重な体験は、日頃のデスクワークでは得がたいものであった。それは自然にたっぷりとひたる心地よさと自然とともに生きることの大切さを実感できたことへの感動でもあった。急流を渡るときの試行錯誤の一つ一つが私にとっては新鮮であり、驚きの連続であったからだろう。

今、教育が大きく変わろうとしている。中でも体験的な学習活動の必要性が強く叫ばれている。デスクワークや間接学習では得がたいものを求め、児童生徒が個性あふれる活動を通して自ら学ぶ姿を具現していく。そのためには、私達教師が「必然的に体験して主体的に学ぶ場」を設定することが重要だと改めて考えた。

(会津教育事務所指導主事)

 

「オーラル・コミュニケーション講座」を開設

−教育センター−

 

県教育センターでは、本年度より専門研修の講座として、「オーラル・コミュニケーション講座」を新設いたしました。英語担当教諭と英語指導助手が合同研修の場をとおして共通理解を深め、英語でのコミュニケーション能力の向上を図り、その識見と指導力を高めることを目的としています。また、平成六年度から実施される高等学校の新学習指導要領に対応した実践的な講座で、年に二回実施します。六月十日(月)〜六月十二日(水)に実施した1班の講座には、受講された関係者から高い評価の声が寄せられました。

2班の講座の概略は次のとおりです。

 

一、期日 平成三年十一月十三日(水)〜十五日(金)

二、場所 県教育センター

三、 対象者 ・県立高校英語指導助手の配置校および後期訪問校の英語担当教諭(二十四名)

・県立高校に配属の英語指導助手 (六名)

四、内容 英会話、ディスカッション、ディベート、英語教育と国際理解、ティームティーチングの指導法、文化理解(書道)、LL演習、等。

詳しくは県教育センター「オーラル・コミュニケーション講座」担当(内線43)にお問い合わせください。

 

▲英語担当教諭の通訳で書道に励む英語指導助手

 

▲英語担当教諭の通訳で書道に励む英語指導助手

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。