教育福島0159号(1991年(H03)11月)-012page

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各教科での活用」

CAIに対する理解と活用のための校内研修会を数回実施したが、十分に活用されるまでには至っていない。全国的にも高等学校におけるコンピュータの普及率に比して、CAIが低率であるのは、前述のとおりである。以下に現在の本校の実践例を紹介する。

 

【実践例一】

「国語表現でのワープロ実習」

(対象)普通科二年必修の国語表現において、二学期からワープロ実習を実施している。

(時間)二単位の中の一単位

(内容)あて名作成・はがきの書き方・案内状・文書などの実用的なものからはじめて、読書感想文・意見文などをワープロで作成し提出する。

(結果)週一時間の実習であるが、生徒の習得は早く、三時間ほどで一応は文を打てるようになる。書式や体裁の整え方等を指導後作品を提出させるが、画面を見ながらの操作は、生徒の思考を助ける効果を持っている。また、この学習が三年時に履修する「情報処理」の学習にも良い影響を与え、導入を容易にしている。

 

【実践例二】

落下距離と時間の解析

(目的)中途半端になりがちな生徒の実験結果の解析と解釈の不備を補う。

(内容)力学分野の落下運動の実験において、生徒は斜面上の落下距離と所要時間を測定する。得られた測定値を手作業で処理し、結論を得る。その結論を各人がコンピュータに入力して、誤差の程度やデータ処理の正確さを確認する。

(時間)実験時間一時間のおわりに約十分間活用する。

(結果)授業への積極的な参加を動機づける手段として活用でき、同時に生徒は実験の結果に対して誤差を解消しようと努力し、指導者への質問が増えるなど効果的であった。

 

▲落下距離と時間の解析

▲落下距離と時間の解析

 

【実践例三】

運動の法則

(目的)現実には体験し得ない無摩擦の状況を作り、運動の法則を理解させる。

(内容)物理の「運動」の単元において、まとめとして活用する。

生徒は学習の目的とキー操作の説明を受け、二人一組で交代に操作するが、実行結果が点数化され記録されるので、成績を上げようと競争して取り組む。写真はその実行画面の最後の部分である。

(時間)一時間

(結果)ゲーム的要素が強い構成であるため、試行錯誤しながら解決法を獲得するが、それが既習事項の確認や応用としての取り組みとならなかった。

 

▲運動の法則

▲運動の法則

 

【実践例四】

波の反射

(目的)波の反射の連続した動きの、瞬間瞬間の動きを詳しく観察させる。

(内容)力学の「波動」において、波の伝播のしかたを学習後、異なった媒質の境界で起こる波の反射を学ぶ。この時、実験装置(ウエーブマシン)で波の反射を観察し、説明を受けたのちシミュレーションで確認する。

(時間)約二十分(教師による提示)

(結果)波の反射の全体と瞬間瞬間のどちらも観察できるので、学習内容を定着させるのに有効であり、生徒も興味深く関心を持って取り組むことができた。

 

【今後の予定】

惑星の運動

(目的)惑星の公転運動を年月日を追いながら観察し、相互の位置関係の変化を確認させる。

(内容)惑星の視運動(順行・留・

 

 

 


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