教育福島0159号(1991年(H03)11月)-011page

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本校におけるコンピュータの活用

福島県立大沼高等学校

 

一 はじめに

 

本校は普通科五学級と家政科一学級(平成二年度から募集停止)を併設する男女共学の学校である。卒業生の進路状況は例年進学者(含各種専門学校)約三割、就職者約七割の都市近郊型の学校である。昭和六十二年度からの教育課程に類型・選択制を導入し、普通科二年に「商業経済1」を、三年に「情報処理1」を選択科目として設けた。普通科に、「情報処理1」講座を開講するには解決すべきさまざまな問題があったが、それらを解決しつつ開講の準備を進めている時期と重なって、「創造性豊かな魅力ある学校づくり推進事業」が開始された。そこで本校では「情報処理1」の講座を定着させる好機ととらえ、《情報処理教育の推進》の領域を選択し、コンピュータの活用を始めた。

 

二 施設・設備

 

1) 機器「シャープMZ-二五○○」二三台、他に校務処理用に「NECPC-九八○一」一台を職員室に設置している。

2) コンピュータ設置場所

普通教室を転用して設置したが、十分とは言えない。

 

三 取組みの概要

 

(ねらい)

生徒の能力・適性・興味・関心および進路希望等に応じた、個性的な学習活動を支援するためのコンピュータの活用を研究し、学校の特色づくりに努める。

(初年度)

全く未知の分野であり、有効な活用には指導者のコンピュータについての理解が不可欠であるので、校内研修によりコンピュータリテラシーの普及に努めた。

(二年度)

オーサリングシステムによる教材開発の研修会等により活用の促進を図った。

(三年度)

教育課程を変更して「情報処理1」の講座を二講座とし、希望者の履修を可能にした。

 

四 現状

 

本年八月五日に開催された朝日CAIシンポジュウムのテーマは「コンピュータによる新しい文化の創造-CAIからCITLへ-というものであった。コンピュータを学習活動の有機的統合を図るものとして捉える考えが提唱された。小・中学校では積極的なCAIへの取り組みが行われているが、高等学校においては必要性を感じている人は少ないようである。本校も例外ではなくそれが教科・科目の特性によるのか指導法によるのかは今のところなんとも言えない。しかし、

1) ドリル機能

2) チュートリアル機能

3) 提示機能

4) シミュレーション機能

5) 検索機能

などのコンピュータの多様性は多彩な授業を可能にすることは疑いのないところである。授業のどの場面に、どういう形で、どの機能を活用するかの研究は今後の大きな課題である。

 

▲「情報処理1」の授業

▲「情報処理1」の授業

 

五 実践

 

「情報処理1」

普通科における「情報処理教育」の観点から、次のような過程を経て現在に至っている。

【一年目】

ワープロ機能活用中心の学習

《生徒の理解は予想以上に早く、情報処理学習本来のプログラミングやアプリケーションソフトに早くから興味を示した。》

【二年目】

コンピュータの基礎的知識理解のための実習中心の学習

《基本的知識の習得には体系的な指導が必要であった。》

【三年目】

プログラミングの基礎の学習

《実社会の様々な場面で出会う情報処理機器に対して、抵抗なく触れていくための基礎を身につけさせる。》「情報処理」に対する生徒の関心は高く、受講希望者も多いので、将来は一般教養として全員に履修させることを検討して行きたい。

 

 

 


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