教育福島0160号(1992年(H04)01月)-004page
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文化の窓
県立美術館企画展案内
「水彩画のモダニスト渡部菊二展」
会期二月八日(土)〜三月二十二日(日)会場県立美術館
一九〇七年(明治四十年)福島県会津若松市に生まれた渡部菊二は、主に戦前期に活躍したモダニズムの水彩画家です。一九三一年(昭和六年)日本水彩画会展に初入選したのをきっかけに次第に評価を高め、一九三六年(昭和十一年)「日蝕」で文展に入選。また一九四〇年(昭和十五年)には春日部たすくや小堀進とともに水彩連盟を結成し、新しい水彩画の方向を模索しました。「勤労の娘たち」に見られる人物のデフォルメ、装飾的な色彩の配置、卓抜な画面構成は、菊二が造形的な要素に強い関心を抱いていたことを明らかにしています。彼は近代的な造形思想に裏付けられた作品群によって、昭和前期の水彩画界に重要な足跡を残しました。
菊二はまた油彩画や挿絵も手掛けています。挿絵には水彩画より自由な姿勢で取り組んでおり、その作品は酒脱な味わいを感じさせます。
本展は、戦後間もない一九四七年(昭和二十二年)わずか四十歳で亡くなった菊二の画業を総合的に紹介する初めての展覧会です。初期から晩年まで、水彩画のほかに油彩や挿絵も含めて百点余りの作品を展示し、彼の仕事を振り返ります。
観覧料
一般・大学生720円(560円)
高校生510円(410円)
小・中学生360円(250円)
※( )内は20名以上の団体料金
休館日
毎週月曜日及び2月12日(水)
勤労の娘たち 1940年
日蝕 1936年
奏でる女 1937年
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