教育福島0161号(1992年(H04)02月)-015page

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◇巡回就学相談◇

我が子の幸福を願わない親はいません。それは、障害のある子どもの親も同じです。しかし、子どもの将来に対する不安、現在の養育に対する悩みを誰に相談したらよいのか分からず、一人で苦しんでいる場合が多いようです。当養護教育センターでは、そのような悩みや不安の解消を図り、必要な情報を提供し、適切な就学を推進する教育相談を行っています。巡回就学相談もその一環として行われています。

一、揺れ動く親の気持ち

「五体満足に」という親の願いに反し、我が子に障害があることを知らされたとき、「何かの間違いだ」「間違いであってほしい」と衝撃と拒否の気持ちが起こりがちです。さらに「なぜうちの子だけが」「私のせいだ」などと気持ちは激しく揺れ動きます。しかし、その子なりの成長に喜びを見い出すと、障害を正しく理解し、その子の生活の充実と社会参加・自立を目指すようになってきます。小学校への就学を目の前にしてすべての親がこのような気持ちになっているわけではありませんし、頭で理解していても「なんとか、通常の学級に就学できないか」と気持ちが揺れ動くことがあります。

二、巡回就学相談の概要

巡回就学相談は、県内各地を巡回し、心身の発達の遅れや障害のある就学前の幼児を中心に、就学に関すること、養育や指導方法に関することなどを保護者と相談します。相談は、相談担当者の意見を一方的に押しつけるのではなく、親の気持ちの揺れ動いている状態を知り、親と共に子どもの力を十分引き出し、充実した生活をさせることが、可能な限りの社会参加・自立への道であることに気付いてもらうようすすめます。また、子どもが適正な教育環境で適切な教育を受けることが大切なことにも気付いてもらうようにします。

平成三年度は県北(福島市)・会津(会津若松市)・相双(原町市)・いわき(いわき市)の四地区で七月から九月にかけて実施しました。相談内容等については図1・2・3の通りでした。

◇図書・資料の収集・提供◇

当養護教育センターは、昭和六十一年の開所以来、福島県の養護教育の中心機関としての機能の充実を目指して、広く養護教育に関する図書及び資料の収集に努めてきました。その結果、年々蔵書数も増加しています。また、資料類についても、県内外の養護教育諸学校をはじめ各学校及び関係諸機関の貴重な研究成果などの収集を図っています。

その他、最新の教育及び養護教育の情報を提供するために、逐次刊行誌を購入し、多くの方に利用できるようにしています。

一、利用方法

〈申し込み〉

直接来所して申し込んでください。

〈開室日〉

日曜日、祝祭日、年末・年始休日、日、第二・四土曜日を除く毎日

〈利用時間〉

月〜金曜日

十時から十六時半

土曜日

十時から十一時半

〈貸し出し〉

〇個入の場合は、五冊以内を二週間以内において貸し出します。

○研究指定校などの共同研究責任者の場合は、十冊以内を一カ月以内において貸し出します。

○郵送による貸し出しはしていません。

〈問い合わせ〉

図書・資料に関する問い合わせは、来所または電話等で行ってください。

二、蔵書などについて

〈蔵書数〉 五、一三九冊

〈購入逐次刊行誌〉 三三種

〈資料等〉 七四九冊

(平成三年十二月二五日現在)

その他、「所報ふくしま」「教育福島」「所報養護教育」などや要覧類、リーフレットなどの収集や提供も行っています。

三、利用の状況

当センターの図書・資料の充実にともない、利用者も増えてきています。図4のように養護学校関係教職員の利用が最も多いのですが、保育所・幼稚園・小学校・中学校などの教職員や保健所の職員を含む一般の方の利用も増えています。

 

〈図1〉性別による相談割合

 

〈図2〉年齢別による相談割合

 

〈図2〉年齢別による相談割合

 

〈図3〉障害別による相談割合

 

〈図3〉障害別による相談割合

 

〈図4〉利用者の所属別割合

 

〈図4〉利用者の所属別割合

 

〈図5〉貸し出し図書の分野別割合

 

〈図5〉貸し出し図書の分野別割合

 

 

 

 

 


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